見出し画像

大人の夏遠足ー環境問題・SDGs・エネルギー等を考える工場見学ーに参加しました🎒(前編)

今年から、SDGsスタートアップ研究分科会に加わったAyaです。
新メンバーの歓迎会も兼ねた夏遠足。出会いあり、学びありの素敵なイベントについて、2回にわたって、報告します。


遠足先は「産廃業者」さんなの??

遠足でお邪魔したのは、埼玉県入間郡三芳町にある、石坂産業さん
こちらの会社、どうやら産廃業者さんのようです。
「産廃業者」と聞いて、どのような場所をイメージしますか?
私自身、テレビで目にする産廃業者といえば、騒音などの問題を起こし、近隣地域から迷惑がられてる・・そんな場面ばかりで、決していいイメージを持っていませんでした。
(遠足!と飛びついた私。産廃業者さんへ行くという認識がありませんでした😅)

しかし、そのイメージは大きく変わることになるのでした。

【循環デザインマスター】ベーシックコース

今回参加したのは、【循環デザインマスター】ベーシックコース。 
工場見学・里山見学・ランチ・ワークショップが含まれた、盛りだくさんのプログラム。
字面で見ると、ちょっと硬そう・・・。

◆プログラムスケジュール◆
10:30 オリエンテーション
     ~日本と世界の環境課題の現状、石坂産業の取り組みご紹介~
11:00 資源再生リサイクル工場見学
     ゴミ問題、再生エネルギーをテーマに工場をご案内
12:00 不法投棄の雑木林を再生した里山を見学
13:00 昼食~有機野菜やアニマルウェルフェアの卵を使用した大人の給食~
14:00 循環型社会を考える、ワークショップ
15:00 質疑応答、アンケート記入
15:15 農園の小径を散策しながら解散場所まで移動
15:30 プログラム終了
16:00 工場発の送迎バス乗車/ふじみ野駅で解散

オリエンテーションと座学

世界の環境問題の現状を映像を交えて説明頂き、石坂産業の取り組みについてお話を聞きました。1960年代に日本全体で環境問題が顕在化し、公害対策がはじまった当時。石坂産業でも環境に配慮した最新鋭の施設をもって焼却事業を行っていました。しかし、1990年代後半に、日本でもっとも注目を集めたであろう「所沢ダイオキシン問題」が起き、世間の産廃業者への目も厳しくなり、「NIMBY(Not in My Backyard)」の風潮が強まり、「地域に愛される会社」を目指して焼却炉をたたみ、再資源化事業への転換を行いました。
その最たる取り組みが「里山再生」。高齢化ー>耕作放棄地ー>不法投棄 という地域の問題がつながり、三富(さんとめ)の雑木林もゴミが散乱するようになっていたところ、そのゴミを拾うところから里山再生が始まりました。その量、10000トン超え!少しずつ生物が戻り、今では生物多様性の高い里山となり、「PIMBY(Please in My Backyard)」な会社となっています。

その他、世界農業遺産にも登録されている、地域の伝統農法「落ち葉堆肥農法」の継承や、環境問題に関する教育が根幹となると考え、体験型教育の場も提供されています。「産廃業者」から、循環をデザインする会社へ、業界のイメージを変えるべく取り組まれていることを学びました。

三富地域の伝統農法で作られた「落ち葉堆肥」

リサイクル工場見学

いよいよ、工場見学へ。
何より驚いたのは、施設がとてもきれいなことです。テレビで見た産廃の工場は、砂埃がまっていて、騒音が鳴り響いていて、施設のあちこちにゴミが落ちていてごちゃごちゃした印象でした。が、整理整頓されていて、ゴミも見当たりません。廃棄物の処理工程は屋内のプラント内で行われるため、砂埃は集塵機を使って吸い取られており、気になることはありません。働く人の安全、健康に配慮された環境が整えられています。

ゴミを資源として利用するには、分別がキモになります。
石坂産業では、独自の技術も用いて徹底して分別されています。分別は廃棄物の種類によって様々な方法で行われますが、いろいろな素材が混ざったものは、人の手で分けていました。AIの活用も進んでいますが、すべて形の異なる様々な素材のものを見分けさせるのはとても難しそうです。職人の方々の、素早く的確な判断に感動しました。

手前では職人さん、後ろではAIロボットが作業をしています

また、分別は、組み立てとは逆の工程をたどり、素材に戻していきます。より効率的に資源として利用するためには、ものを作る段階で、素材に戻しやすいデザインにするという視点もポイントとなります。ものを作る会社の方々にも、ぜひ分別の工程を見て欲しいなぁと思いました。

石坂産業で再資源化・減量化できないものはわずか2%だそう。驚くべき数値じゃないですか!?
現在、運ばれてくる廃棄物は50年ほど前に建設された建物などが多いそう。今、建設されているものを50年後、同じように分別できるか、というと・・・難しそうです。より安価で効率的な素材が開発されるのは、「買う」ときにはありがたいですが、様々な素材が複雑に使用されつくられた材料や製品になるほど、単一の素材に戻すのは難しくなります。消費者として、こういう視点も持って、買うものを選ぶようにしていかないといけませんね。

さて、次回・後編では里山見学やワークショップに参加してみた感想についてレポートしますので、ぜひお楽しみください!

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集