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《22》タクシー業界の事例(平岸ハイヤー㈱)~タクシーと宅配が連携~

業界別のSDGs事例紹介。

今回ご紹介するのは運送業界。

札幌市にある平岸ハイヤー㈱という従業員約200名のタクシー会社です。

もともと創業者はリンゴ園を経営していたそうですが、地域の住民から「交通手段が欲しい」という願いを聞いたことから、

リンゴ園を売却し、車2台を購入して1958年にタクシーを始められました。

このように地域の要望から事業が生まれたという経緯もあり、同社は平岸という地域が安全で元気なまちであり続けるために、

乗って快適、走って安全、着いて満足」を掲げ、仕事を通じて地域と人に貢献できる会社づくりを目指しておられます。


まず、同社は長年にわたり圧倒的地域密着を方針とし、地域でのイベントなどへの協力を積極的に行い、お祭りに社員をスタッフとして派遣したり、

よさこいソーラン祭り平岸会場の本部やフリーマーケットなどのイベントには本社屋、駐車場を無償で提供しています。

内勤の社員による週3回の地域清掃活動、全乗務員が年に複数回の地域清掃活動に参加、

また交通安全啓蒙活動として街頭での呼びかけをするなど、安心安全に暮らすことができるまちづくりへの活動も積極的に行っています。


また、昨今、ネットショッピングが急増する中で人手不足も重なり、宅配荷物の遅延が問題となっていますが、

佐川急便が平岸地区周辺に倉庫を持っていないため、配送や受け取りの拠点がなく、かなり離れた倉庫へ荷物を取りに行かなければいけないという課題があります。

そこで、平岸ハイヤーの使っていないスペースを配送や不在荷物の受け取り拠点として佐川急便に使ってもらうことで、

働く人の労働問題の解決につながり、利用者の利便性も上がり、地域の暮らしやすさに結び付いています


今後はこのような地域密着の会社が大手物流会社等と連携することで、地域内物流を加速して移動量とCO2排出を減らしつつ

宅配需要が高まる中で地域住民の利便性も向上させるといった取り組みが進んでいくのではないでしょうか。


このように、平岸ハイヤーはタクシー業だけでなく、広く「移動」という観点から事業を展開して地域から愛されていますが、

これは自社の価値を「地域と人に貢献する」ことに見いだしたからだと考
えられます。

皆さんもSDGsを一つの指標として自社の事業を整理する中で、自社の価値を改めて深堀りしてみると、より地域で必要とされる企業になるための新たな発見があるかもしれません。


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