《40》眼鏡業界の事例~自然に還るフレーム~
業界別SDGs事例紹介。
今回は眼鏡業界。
国内で約96%、世界でも約20%の眼鏡フレームのシェアを誇る福井県鯖江市で作られている「jugaad14(ジュガードフォーティーン)」というサングラスをご紹介します。
まず、このサングラスは名前の由来が興味深いです。
「ジュガード」はヒンディー語で「革新的な問題解決の方法」という意味で、限られた資源の中でもアイデアを働かせて新しいモノを想像し、解決方法を見つけようという思いが込められています。
そして、「14」はSDGsのゴール14(海の豊かさを守ろう)からつけられました。
また、ジュガードには「Keep it simple」という考えがあり、過剰な機能を持たせることなく、シンプルに目的を果たすことを狙いとしています。
例えば、サングラスの素材には金属は一切使用せず、エシカルなもの(綿
花採取後の産毛状繊維を80%以上含んだ植物由来のバイオマスプラスチック)を使用しています。
そのため、使用後に埋め立て処分されると、微生物により二酸化炭素、水、バイオマスに生分解されるため、
「すべて自然に還る」という本商品のコンセプト通り、環境に負荷がない素材に戻り、通常のごみと一緒に処分できます。
もちろん、長く愛用できるための工夫もされています。
その一つとして、日本人の鼻周りを徹底的に研究し、バランスを考え、鼻ずれがしにくいようにやや高めにパッド(鼻あて)が設定されています。
加えて、先端部は顔に絶妙にフィットするように弾性に優れており、締めつけ感を減らしています。
デザイン性にも優れ、全商品がジェンダーレスであるため、性を問わず長く使えるものになっています。
さらに、売り上げの一部は美しい海を次世代に残すための保全活動や調査研究に使われる「海の羽根募金」に寄付されています。
専用袋や紙箱も全て再生原料を使用し、まさに製造の全ての工程において、「人と環境の未来を徹底して考えた眼鏡フレーム」となっています。
現代社会はモノがあふれていることから、企業側としては消費者に「そのモノを買う理由」を様々な方法で伝え、納得して買ってもらうことが重要だと考えます。
その一つの戦略として、「エシカル」「サステナビリティー」といった特徴を一貫して推し出し、消費者が「私はこれを使うことで地球環境の保護に貢献している」という満足感を演出することも有効ではないでしょうか。
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