《43》最終回は3点の私見~実践で持続的な企業に~
この連載もいよいよ最終回となりました。
そこで、最終回はSDGsについての私見を3点に分けて書きたいと思います。
1点目は、SDGsの浸透具合についてです。
最近は以前よりSDGsという言葉を聞くことが少なくなったように感じますが、それは大企業へはもちろんのこと、中小企業へもある程度浸透したからではないでしょうか。
実際、電通が今年の5月に発表した調査結果によると、「内容まで含めて知っている」「内容はわからないが名前は聞いたことがある」の合計は91・6%で、前回調査(2022年1月)の86・0%より5ポイント以上増えたとあります。
このように、「SDGsはほぼ完全に浸透した」と言っても過言ではないと思います。
2点目は、中小企業がSDGsの視点を取り入れることで、確実にステージを上げていけるということです。
社内において環境問題や人権問題への関心が高まり、海洋プラスチック汚染やサーキュラーエコノミーについて考える…。
そんなことが当たり前になると、その企業は確実に成長できるでしょう。
また、SDGsという言葉を意識して使わずとも、食品ロス、ジェンダー平等、再生可能エネルギーといったSDGsのゴールにそれぞれある項目を当たり前のように昔から実践している企業もあり、そのような企業は末永く続いていく傾向にあります。
もちろん、SDGsのゴール全てに取り組む必要はありませんが、いずれかのゴールに注力することが、結果的に他のゴールにもより良い連鎖を起こすきっかけになると考えます。
ぜひできることから少しずつチャレンジしていただきたいと思います。
3点目は、SDGsのこれからについてです。
2015年(SDGsの前身であるMDGsの達成期限)の3年前である2012年ごろに初めてSDGsという言葉が出てきたように、2030年(SDGsの達成期限)の3年前にあたる2027年ごろに〝ポストSDGs〟を国連が何らかの形で示すのではないかと考えています。
個人的には、これからは「ウェルビーイング」の時代になっていくのではないかと予想します。
ウェルビーイングとは、「心身ともに健康でいられて社会的にも満足できる状態」のことを言い、それを重視した職場環境や制度づくりを行っている企業のことを「ウェルビーイング経営を行う企業」と呼んだりします。
このように、今後は企業で働く従業員一人ひとりのウェルビーイングを高めていくことが、結果的にその企業全体の躍進につながるのではないでしょうか。
最後に、長い間この連載にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。