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創業の地で体験する

 このほど、京都↔︎大阪の移動手段に衝撃が齎される事になった。
 令和6年7月中旬に登場する阪急2300系。
 冒頭に掲載しているのは、その2300系の試運転列車だがこの2300系には衝撃の車両が連結されている。
 それが
『阪急電鉄史上初の有料座席車』
である。
 令和元年ほどに登場した京都観光をアピールする改造車による観光列車、『京とれいん雅洛』でも頑なに料金徴収を行わなかった阪急が、遂に
『座席指定の有料車両』
の開発に乗り出したのであった。
 そしてこの程、大阪開催の部として梅田の一角でその『有料座席車両に設置する座席』の御披露目がなされる事になった。
 今回は偶然にもその時間に梅田付近に居たので、訪問する事にした。
 実際に着座して、どう感じたのかを早速文字化して行こうと思う。

 これが、座席指定車両である『PRIVACE』にて採用される事になった座席である。
 阪急伝統のアンゴラヤギのシートモケットが最新革命を遂げ、自分の目の前に鎮座しているのであった。
 しっかりと阪急伝統のしきたりは守りつつ、時代に合わせた変革も取り入れている。
 既に京阪地区には
・京阪電鉄 プレミアムカー
・JR西日本 Aシート
と2つの有料座席サービスが実施されている。
 どちらも着席経験があり、自分としては
『京阪間の有料座席サービス』
がどうしたものだったかなんとなく身体に刻まれている状態であった。
 という事で着座。
 感覚としては…

※着座している筆者である
(画像編集)

 ホールドされている、包まれていいる
 という印象が濃い。
 優しく身体に寄り添っているとでも言うのだろうか。
 座席に座っている時間は、自分だけの空間…
 PRIVACEのネーミングの通り。まさに
『プライベートな空間』
が着席していると広がっているのであった。
 この日、案内してくださっている阪急の社員の方とも話しながら座席に座った感触などを話していると、阪急電鉄の創業からの歩みなどが頭を過ってくるのであった。
 そして、この座席が並んでいる車内をボカシがけでOAしていたNHK・『鉄オタ選手権』での時間を考えると本格的な車両登場へ向けた幕開けを感じるのであった。
 ちなみに京阪・JR西日本の有料座席サービスと同様にこの座席にもコンセント機能が接続されている。
 座席に座って携帯電話の充電・パソコンの作業などが可能になっているのであった。
 また、肘掛けにはテーブルが格納されているのだがコレが鉄板の如く硬い。コレがもう1つの印象だ…

 自分が着席した時間は多くの人だかりが集う状態であったが、体験終了時間の19時を過ぎて再び向かうと綺麗な状態で撮影できた。
 この京都↔︎大阪にて新たな参戦を決め込んだ阪急の有料座席『PRIVACE』の登場には、大阪の人々からも関心と注目を受けているようで自分のような鉄道ファン以外にも、多くの通行人がこの座席を眺めていた。
 この有料座席サービス、『PRIVACE』は大阪梅田↔︎京都河原町にて値段均一の500円。
 運賃の410円に+500円でこの空間を楽しめるのだ。
 500円でこの座席に…というのは賛否があろうが、走り出しが非常に楽しみである。

 そして、この日は車内を案内するアテンダントの制服も展示されていた。
 かつて、1面1線の閑散としていた駅があるだけだったこの地。
 そこから順調に駅周辺を開発し、百貨店にH計画で北方面への移設と大きな曲折を様々に経た阪急の梅田駅。
 現在は大阪梅田駅に名称が変わっているが、このイベントを眺めていると様々な阪急の歩みを思ってしまう。
 明治の時代、阪急の前身である『箕面有馬電気軌道』を敷設する事にした小林一三に一部の人が
「トンボやイナゴ、空気くらいしか乗らないだろう」
と叩かれた阪急は、新たなる進化を遂げている。
 創業の地で、革命が始まろうとする瞬間に立ち会ったのであった。

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