詩人特集 001 土井晩翠
詩人特集。最初に選んだのは土井晩翠(1871ー1952)。
無骨で角張った感じのする文体でつづられるその詩世界は、少々取っつきにくく、難しい。
解説者の石井昌光によると、晩翠が読まれなくなった、時代を超えられなかった2つのポイントがあるらしい。
ひとつは文体の古さ。読み方さえも、難しいという点。
もうひとつは詩自体への貧しさ、という点。粗笨で味わいに乏しいとか、空虚な大言壮語だとか、詩ではなく唱歌だ、と批評されるところにあるらしい。
逆に言えば、文体の平明さと詩の豊かさの両立が、語り継がれていく詩の条件とも読める。
そう考えると、晩翠の詩は真逆であり、確かに晩翠が時代を超えられない、という2つのポイントは的を得ているのかもしれない。
私も読んでいて、胸に刺さるような言葉に出会えなかったのは残念に思う。
読まれなくなった詩。時代を超えられなかった詩。その言葉。
当時の隆盛の今や見る影もないという残酷な現実になんだか切なくなった。
今後の執筆と制作の糧にしてまいりたいと思います。