「価値」を認め合う関係をつくろう
この4月からあらゆるものが「値上げ」しています。売る側としては、なかなかいいづらいこともあるでしょう。ここまで価格をあげたいけれど、それはさすがに…というためらいもきっとあることでしょう。それでも、その商品がほしいと思うお客様がいる限り、「続ける」ということも価値。其のために必要なことは、お互いきちんと説明した上で、納得した上で、購入してもらう。そのプロセスこそが、「本当のお客様」を増やしていく最短距離です。
1、値上げの春に思うこと
買う側としても、あれやこれやと値上がるのはつらいところ。もちろん、右肩上がりに給与があがったり、あるいは臨時収入が増えるほど世の中の景気がよければ話は別ですが、そうはならないのが世の中というもの。限られた収入、変わらない収入の中で、値上がりを吸収しながら、やりくりをするしかないのです。
だから、消費者は、毎月の支出を見直して、次のような分類に分けることでしょう。
①絶対に必要なもの
②辞めていいもの
③代わりのもの・支出を抑えるもの
売り手としては、①になって欲しいところですが、②を決断されてしまったら、取引は終わってしまう。③であれば、他の売り手に変わってしまう。寂しいですが、それは仕方のない選択です。
でも、ここで、「はい、さようなら」ではなく、「なぜ変わってしまったのか」を考えることが、今後のために大切な「知恵」をもたらしてくれます。
2、1に反省、2に反省…
もしかしたら、満足いただくような品質を提供できなかったかもしれない。
あるいは、価格と量があっていなかったかもしれない。もしくは、もともと余裕資金で買っていたもので「必要」としてカテゴライズされていなかったのかもしれない。
継続していただくお客様は、ありがたいですが、こうした「継続しなかったお客様」こそ、大事なことを教えてくれます。だから、去る者であっても、可能であれば、お客様にアンケートやヒアリングなどできる限り行って、それこそお礼とともに、関係を心地よいもので終わらせることがよいでしょう。
だって、また戻ってきてくれるかもしれないんですから…。
3、値上げだからできること
こんな値上げのときこそ、できることもあります。それは、「よりよい商品やサービス」を提供するということ。これまで提供していた価格が値上げするのですから、単なる値上げだけでなく、ランクアップを検討してみるのです。
例えば、2,000円で販売している商品。1割の値上げが必要で、2,100円になるとしましょう。そしたら、提供出来る商品価値は「これまでと同じ」です。単に減価上昇分を値上げしただけですからね。
そこで終わるのではなく、例えば「+1,000円」して見るのです。2,000円▶3,000円で提供する商品を作ってみるのです。
通常値上げ:2,000円▶2,100円 理由:原価上昇
ランクアップ:2,000円▶3,000円 理由:+1,000円したら、○○ができる
こうした形で、満足頂いているお客様に、新たな価値提案を行うのです。もちろん、全員が受け入れるわけではないけれど、もっとほしいと思うお客様にとっては、より「嬉しい提案」な訳です。
「量を買うより、質を買う」
値上げの時だからこそ、検討してもらえる貴重な機会。これを逃さず、よりよい商品やサービスを検討してみたらいいでしょう。
4,「価値を認め和える関係性」=顧客
顧客って感じを見てみれば「顧みる客」なんですよね。
日本語で「顧みる」の意味は
心に留める、気にかける。
過去を振り返る。
振り返ってみる。
そんな風に、これまでの仕事や提供してきた商品を振り返ったり、気にかけるような存在。それが客だとすれば、これまでのやり取りや評価を改めて見直し、新しく「これから」に向けての関係を構築していくということ。
だから、値上げも、単に「上げればいい」のではなく、お互いの価値を認め合うステージがあがるようなものにしていきたいものですね。