1999年の旅日記(7)〜ヒマな旅人、グラスゴーで本を読んで1日終わる。
1999年の古い旅の記録を読んでみると、覚えていたつもりの事でも、相当忘れていることがわかる。
グラスゴーではかなりヒマだったようで、グチグチとぼやきの記録が止まらない。
グラスゴーに来た事を、当時の私は「日本に置き換えてみるならば、東京から長野の知人宅に遊びに行き、せっかくだからと札幌へ足をのばしてみたら、札幌はとても混んでいて泊まれないのでノサップ岬へ来てしまった。そんなところだろう。」と言っている。
おそらく夜の静けさに心が折れていた。
1999年8月30日(月)
夜、寝ていたら隣の部屋の人がトイレに行った気配がした。
帰ってくる足音がして、部屋を間違えたらしく、私の部屋のドアにカギを差し込もうとした。
またまた私はびっくりして起き上がってしまった。
気がついて隣の部屋に帰ってくれたけど、夜必ず何かが起こるんだなー。
明日の朝早く、私はエディンバラへ行くのだけど、今日の夜こそは何事も起こらないでくれるのか。
今日は朝から雨。毎日必ず雨が降る。
相変わらず静かでやることがない。
ふらふら散歩する。スコットランド訛りの英語は分かりにくい。
ここにいるとなんだかポイっと時間の中に放り込まれた気分。
お腹も空かないし、喉も乾かない。
スリーパーでロンドンに行ったら、B &Bではなくホテルを探そうかと密かに思う。
おばさんがやって来て、部屋のタオルを新しいものと交換して、紅茶・コーヒー・ミルクを補充してくれた。
ここで話をするのは、このおばさんとスーパーの店員さんだけ。
テレビもラジオもないので、持ってきた本を読む。
宮部みゆき『地下街の雨』を読み終わった。
持って来た本は残り一冊しかないので、ゆっくり読もうと思う。
地下にいると外の天気が分からない。外に出てみたら雨が降っていた、というのが裏切られた気分を言い換えたものだろう。
良い方にも悪い方にも裏切りはある。
スコットランドは明るい時間が長いので、もうしばらくして外が晴れてきたら近所の公園にでも行ってみよう。
私の部屋の外は今騒がしい。
なにやら大きなテーブルを2人がかりで運んでいる。
ドタンバタンとすごい音をさせている。
静かな一日が終わろうとしている。
この状態を日本に置き換えてみるならば、東京から長野の知人宅に遊びに行き、せっかくだからとサッポロへ足をのばしてみたら、サッポロはとても混んでいて泊まれないので、ノサップ岬へ来てしまった。そんなところだろう。
明日の朝、出ていくので、スーツケースの荷物を整理した。
グラスゴーにいる間、「近所の公園に」という言葉が度々出てくる。
近所の公園の散歩ばっかりして、あとは本を読んでいた、っぽい。
次回「エディンバラで人間観察」の巻
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