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【通算300番組】10年目想定「テレビリサーチャー」1日のスケジュール

#スコープ株式会社 note編集部です。

先日、2023年度のATP賞テレビグランプリの受賞作品が決定いたしました。
弊社がリサーチを担当した番組は4つ
主に出演者探しのリサーチ業務での参加です。
苦労して探し、出演・取材の交渉をした人たちが出演する番組が評価されるのは誇らしいです。

ATPでは、製作会社の社会的機能を高め、制作スタッフ一人ひとりの情熱や気概に応えるために、創り手である製作会社のプロデューサーやディレクターが自ら審査委員となって優れた作品を選ぶ、日本で唯一の賞として1984年に「ATP賞」を創設しました。ドラマ部門、ドキュメンタリー部門、情報・バラエティ部門の3つのジャンルで作品を募集し、毎年100本を超える応募作品の中から、グランプリ、最優秀賞、優秀賞などが選ばれます。

ATP | 一般社団法人 全日本テレビ番組製作社連盟

そんな我々の業務について以前入社3年目のスケジュールを紹介しましたが、今回は入社10年以上、300番組ほどを担当したスタッフの1日の仕事の流れと考えている事をご紹介しようと思います。

スタッフ写真左、15年ほど前の写真です

■9時~電車で出勤。情報収集が生命線です

出勤する時間というのは情報収集の場です。
前日に社内で共有された情報をChatworkで確認。社外の人たちとはslackで情報共有したりもします。

そして、一通りのニュースには目を通し、twitterやinstagramなどSNSの話題も確認します。

目では文字を追い、耳ではPodcastを聞きます。
カルチャー系では「アフター6ジャンクション」、政治経済系では「辛坊治郎ズームそこまで言うか!」などをよく聞きます。
新しいこと探してみようかと思う時は「TAKRAM RADIO」などが面白いです。

また、電話インタビューの予定がある人が書籍を出していたら読みますし、初めての業界を取材する場合も書籍を読んだりします。
例えば、パピーウォーカーという盲導犬候補の子犬を預かるボランティアをしている人の人生を聞き出す時には、関連書籍を読みあさりました。

いかに大量の情報を知っているかが我々の強みになります。
キャプションをトレンドと結びつけるだけで、社会性が増しますし「今やるべき」っぽい雰囲気が出てきます。
仕事をする中で、通勤時間というのはとても重要なインプットの時間になっています。

■10時~勤務開始。発注を整理して業務の振り分け

出社したらメールと大量に届くDM、プレスリリースに目を通します。興味深い情報は社内SNSで共有。情報共有はすべて社内SNSなので、スタッフそれぞれが気になった情報が随時蓄積されていきます。

新規発注があった場合は局や制作会社と打ち合わせをして、イメージを擦り合わせます。
VTRの構成がわかれば、探すべき情報の形が見えてくるのでスタッフにChatworkで指示をして仕事を振り分けていきます。

抽象的なネタの構造は、図で共有することもあります
Qは疑問、Aは答え。テレビはQとAでできている場合が多いです。

■10時半~ 全体ミーティング

10時半からは社内全体のミーティングをします。
全番組の提出状況や進行状況などを共有して、リサーチのアイディアなどを出し合います。
取材対象者を探す電話振りの指示をするのでも様々なアイディアがあります。

例えば

  • サーフィンできる場所で水温が高いところが良さそう

  • キャバクラだったら赤羽に可能性を感じる

  • 一人キャンプしている人の友達に該当者がいそう

  • 大胸筋を鍛えている人に話を聞いてみよう

  • タケノコ掘っている人が良さそう

などといった感じです。
何のことかわからないと思いますが、我々には「タケノコを掘っている人はノリが良い人が多い」などという経験から導き出された謎の方程式があり、それをもとに人探しをしていきます。

「ヒューマングルメンタリー オモウマい店」(中京テレビ制作)で「店前にお花が飾られている店はオモウマい?」という企画をやっているのと考え方は同じです。
取材対象者を探す電話を1本かけるにも蓄積されたノウハウがあります。

■11時~ 最新情報のリサーチ

ネット検索ではZ世代のトレンド情報などを定期的に収集し分析しています。Tiktokなどの流行は常に追ってますし、「かわちぃ」のようなフォーマットのバリエーションも常に把握しています。
ファッションの「かわちぃ」や「うちゅくしぃ」が、グルメに移行したりといった情報も社内で共有し番組制作に役立てています。

Youtubeで再生回数が取れている再現性のある企画を番組に紹介して採用になったこともあるので、ここ最近はSNSから情報を見つけて来ることが多いです。

最近発表されたZ世代のトレンドランキング
全部知ってました…。まだ流行についていけているようです…。
https://www.wwdjapan.com/articles/1572472

■12時~ 番組会議にZOOMで参加

局や制作会社に行くこともありますが、この日はZOOMで会議に出席です。
制作スケジュールの確認、台本チェック、制作の進行状況の共有、次のネタ案のプレゼンなどが行われます。

我々の1つのネタに対してプレゼンは10秒とか20秒とかです。
10秒で構成作家さんや演出陣を笑わせたり、へーと言わせたり、感動させたりしないといけません。
家族密着のドキュメンタリーでも長くで5分でしょうか。
プレゼンは非常に難しいです。

個人的には1回の会議で、笑いかへーか感動を必ず生むことを課しています。そうはならない時は反省をせざるを得ません。

■13時~ 食事

時間に余裕があれば、新しい店の開拓をおこないます。
最近はレトロビルに興味があるので、とりあえず古いビルに入ってみてフロアマップを確認しています。
この日は売り切れていましたが、1日10食限定のカレーは興味深いグルメでした。

こんなフロアマップはワクワクします
3階4階に通路があるので、2つのビルが合体してできているようです

あと、ここ最近の博報堂ビルの前に富士そばができました。
交差点の3面に立ち食いソバ屋ができて、立ち食い戦争が起きています。

とても個人的なことですが、そんな富士そばのカレーカツ丼が最高に美味しいです。カツ丼にカレーをかけたもので、当然のことですがカツ丼とカレーライスの両方のいいところが1皿に乗っかっています。
誰でも好きなものの足し算ですが、それを見つけた富士そばは凄いと思います。富士そばの「とりあえずやってみて、良かったら発展させる」という社風があのグルメを生んだのでしょう。

「あまり深いことは考えていないのですが、(1)先ずは試す、挑戦をする、(2)良ければ発展させていくという風習が富士そばには強いです」

「速攻却下」富士そば幻の商品にネット注目「奇抜メニュー」なぜ次々開発?裏にある会社の精神

■14時~17時 取材から資料作成

この日はアポを取っていた医学博士の方と打ち合わせです。
通販番組への医師の監修の相談などもおこなっており、該当する分野の医学的な専門家の方にキャスティングの相談をしました。
その後、業界団体の広報の方と番組企画の相談とヒアリングをおこなっています。

事務所などに所属していない一般の方たちのインタビューをおこなうのはもう少し夜になってからの方が多いです。皆さん仕事をされているので、日中は忙しいでしょう。

そしてそれらを番組用の資料にして提出します。
会議に出ない番組に関しては提出資料をもとに制作会社で検討がおこなわれ、本人の合意のもと連絡先を引き継ぎ作業などをおこなっています。

■17時~18時 社内会議①(スタッフ配置)

週に1度、弊社では企画に対してのスタッフ配置の打ち合わせをしています。長年やっている番組でも、企画は毎週変わっていき、得意なスタッフも違います。

企画によって能力のあるスタッフを流動的に配置していく体制になっているので、急な企画変更に対してクオリティを担保するということを心がけています。

■18時~19時 社内会議②(番組会議)

提出物は担当スタッフがすべてチェックします。
コンプラチェックは必須ですし、情報が魅力的に見えるようにトレンドも入れていきます。
演出に合わせて情報を足したり、逆に必要ないと思う情報はごっそり削って見やすいようにしていきます。

仕事は通常19時までなので、その時間で帰宅することもありますし、会食を兼ねた打ち合わせが入ることもあります。
番組の進行状況によっては遅くまで残ることもありますが、それは企画の状況次第です。

帰宅の時間も情報収集の時間です。書籍を読んだり、映画を見たりしながらいろんな情報を集めています。トレンドの視察でイベントなどに行ったりすることもありますが、比較的レアケースです。

■最後に・・・

入社10年目の仕事内容でしたが、どうでしたでしょうか。
何年たっても変わらないのは、いかに情報を集め続けるかということではないでしょうか。

こういった仕事は非常に珍しいと思います。
仕事に興味をもっていただける方は絶賛スタッフ募集中ですので、求人に関する記事も見てください。

また、弊社は映像制作というジャンル以外でも活躍できると思っています。
街づくりや企業PRなど、一緒になにか面白いことができるかもと思ってくださる方がいらっしゃれば連絡お待ちしております。

ネタ探しの専門家 スコープ株式会社(テレビ企画・リサーチ)

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