布団の中でフードロスに想いを馳せる
インフル寝正月で終わった冬休みに布団の中からだけでもグローバルな視点を、と読んだ本をメモ。※ほぼ備忘録なので気楽にお目通しください。
【北欧でみつけたサステナブルな暮らし】
食品ロスを減らすためにわたしたちにできること 井出留美氏著https://www.amazon.co.jp/北欧でみつけたサステイナブルな暮らし方-食品ロスを減らすためにわたしたちにできること-井出留美/dp/4791775090
とても個人的な話だが、練馬区では「体験農園」という、畑を借りられる仕組みがある。農園主さんに教えてもらいながら野菜を育てられるので我が家では野菜はほとんど買わないで暮らせている。(年間利用費用に種や肥料などの代金が含まれている。ひと月で考えると3000円から4000円くらいかな?)
元々、コロナ禍が始まった時のあの一斉休校の時に息子(当時3年生)が「生ゴミコンポストをやってみたい」と言い出し、家にLFCのコンポストがあったりhttps://lfc-compost.jp/about
ビニルとか発泡スチロールのゴミも出ない農園生活を送るうちに食品ロスとかゴミ問題とか気になっているので、この本を図書館で借りてみた訳で。
以下、心が動いたところをメモ。
◎それぞれの企業が消費者に対して教育者になるべき
この本は基本的に北欧の事例が載っているのだが、あちこちで消費者発信の言葉として「価格が高いのは当たり前。企業が、良い生産者がやっていけるための金額だから」のようなことが書いてあった。「地球や環境に良い生産者に利益をもたらしていくサイクルを作るためには、その価値を消費者が理解して払っていくべき」という意識が根底に根付いているのが印象的であった。
昨日読んでいた「このままでは飢える!鈴木宣弘氏著」という本の中に次のような事例が載っていた。
こちらの本はSDGsというより「食料自給率は国防」みたいな話なのだけど、その中でスイスの子どもが日本より二倍近くする国産卵を「応援したいから」とふつうに購入していく、という話が出てきた。国産の農家や畜産業者を守るための「あるべきサイクル」のためには、消費者が意思に基づいて選択をする時代になってきていると感じる。
ちなみに井出氏のHPにも「買い物は投票!」と書いてあって、この事業者を応援したいから買う、という買い物の仕方は昨今特にうなづけるものがある。あたしもなるべくなら、イオンとかの大型スーパーよりも、古くからやっている専門店の八百屋さんや魚屋さんで買うようにしているし、欲しい野菜があるときは農家さんの庭先の直販売で購入するようにしているしなあ。
◎パンからアイスクリーム!?
デンマークでフードロスで捨てられる20%はパン、との事実に「パンからアイス」「パンからビール」を作ってアップサイクルさせる試みをしている
例があったこと。売れ残ったパンにヘーゼルナッツを加えてビールを作り、その過程で出た「ビール味のヘーゼルナッツ」をパンの材料に。こういうのを「循環経済(サーキュラエコノミー)」って呼ぶらしい。へえ!!
そうして作られた商品には「これはフードロスのために作った商品です」って記載もされるのだとか。きっと現地の人はそれをみて「お!じゃ、一つ応援しようじゃないか!買おう!」ってなるのかな?日本でそれをみたら買ってくれるかしら。その辺りが「環境に優しいものなら、応援して買おう」と思ってくれるのかどうか。
◎傷み始めたバナナからアイス!
スウェーデンのゴッドランド島にあるバナナをアイスにアップサイクルする話。バナナってちょっと傷むともう「おつとめ品」になって、それが売れなかったら捨てられれしまうけど、実はあの茶色い方が甘味も風味もあるのに。。というところから、正規の値段で売れないバナナでアイス屋さんを作って売っている話。
◎このような動きには寛容さが必要で
本の中では消費期限に触れれられていたのだけど、デンマークの事例だったか、消費期限というのはなくて「過ぎても美味しい」くらいのトーンで記載があるそうな。日本では消費期限すぎてるから捨てるという人が多い(あたしは自分が味見して大丈夫なら結構すぎててもつかっちゃうけど)し、安全を最優先しているけど、北欧や欧米では記載の期限はあくまで目安であって、もしそれを過ぎておかしかったとしても怒られないという法律があるとか。形に関しても寛容さがあれば、日本の農家さんは自分が育てた野菜を無駄なく出荷できるのかな。
振り返れば、コンビニ弁当の廃棄問題や、利益追求のためにそれを従業員にすら配らず捨てていく実態や、形が綺麗じゃないからとか供給量の調整のためにと廃棄される野菜や畜産物のことなどに思いを馳せるとそれはもう世界からしたら滅亡に猛ダッシュしていると見られてしまうよなあとも。
あたし個人がボヤいてもどうにもならないけど、政治のレベルでどうにかしないといけないことを(それは輸入するものの調整や国家間の思惑など)、昨今の政治体制があまり良くないようになってきている、と鈴木氏の本にもあった。(それをどうにかする野田モデルという流れがあるらしい)
◎「あればラッキー」という時代になればいいのに
フードロスの意味では、個人的には、もうスーパーやコンビニが棚が食べ物で埋まっている必要はなくて「あればラッキー」と思って暮らしていくのが普通になればいいのにと思う。人口が減少している日本。そもそもの生産量を、作りすぎない、Reduceも大事なことだよなあ、とも。
そんなことを考えながら過ごした冬休みの記録。