蝉のように殻を全部脱いで人生を生き直す
殻の中にいては見えない世界がある。その殻を脱ぎ捨てて、外の世界へ出て初めて感じる、空気や、光、風の音。
はじめてアメリカに住んだ30年前、これまでずっと呼吸を妨げてきた顔のマスクを全部取っ払った時のような、とてつもない解放感を覚えた。誰も知らない街で、何をしてもいい。なんだってできる。そんな開放感だ。
桃井かおりさんは拠点をロサンジェルスに移し、誰も自分を知らない土地で、女優として、映画監督して、映画を作り続けている。その作品は海外で評価され、その斬新さに人々が歓声を上げる。
そのインタビューの中で、こんな言葉があった。
「蝉のように全部脱いで幼虫になってやり直す最後のチャンスだと思った」。
人生の中で「もう少しやる気になるためには何かを剥奪されなければならない」とそう思って渡米したという。
何かを得るためにではなく、剥奪を求めて住む場所を変えるなんて、革新的で潔い。
移住してからは数々の映画に俳優として参加し、また自分でも映画監督として、「Oki - middle of the ocean」「La Habitacion」など国際的に称賛された映画に関わった。
力を入れて頑張るのではなく、ちょっと生き方を変えてみようか、という軽やかなスタンスが感じられるインタビュー。とても好感がもてる。
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