女性だけでなく全ての人に伝えたい。 (#国際女性デーによせて)
「フェムテック」という言葉が日本でもよく聞くようになってきた。
フェムテックとはフェミニン(女性)+テクノロジーの造語で、欧米ではもう久しく使われているが日本ではまだ歴史が浅い。
「生理をラクに快適にする」ツール、スクーンカップ の開発には2年をかけた。日本人を含む300人のモニターにお願いし、既存の月経カップの難点を指摘してもらうとともに、スクーンカップ のプロトタイプを実施にテストしてもらって、何度も何度もエンジニアリングを重ねた。
米国でオーガニックコットンのベビー服のブランドを経営していた私がなぜ月経カップを開発することになったのか、その経緯については以下の記事で触れた。
「スクーンカップ 」を開発したのは生理の悩みを軽減し、さらに環境問題や健康の問題にも解決方法を探すという動機に基づいてだ。
一生の間に捨てる生理ナプキンは30,000枚のゴミになる
初潮を迎えてから閉経するまでに、一人の人間が捨てる生理ナプキンは30,000枚のゴミになる。紙ナプキンは世界で第5番目にゴミの元となっている製品だ。しかもそこに含まれるダイオキシンなどが、焼却の際に空気中に放たれ、さらなる環境問題を引き起こす。
スクーンカップ なら、約10年間持つので、そこでとてつもないゴミの放出を防ぐことができる。しかも紙ナプキンに使う費用は生涯のうちで百万円ほどになることを思えば、大きなコスト削減になる。
経皮毒の問題
生理中膣周りの皮膚に直接あてられる紙ナプキンは、防水性のある石油製品だ。そこには漂白剤やダイオキシンが含まれていて、デリケートな皮膚のかぶれの原因にもなる。スクーンカップなら、医療用シリコーンでできており、念を入れたバイオテストもされているので、経皮毒の問題を気にせずに使える生理用品だと言える。
アスリートのバックアップ
日本の生理用ナプキンは外国の製品に比べて、その薄さ、という点で突出している(なぜこんなに薄くて守れないのか、という問題は上記で述べた化学物の懸念を引き起こすが、日本の政府は大手の製紙メーカーに品質の詳細を開示しなくてもよいように法的に守っているので、私たち消費者は、いったいそこに何が使われているのか知らされないままに製品を使っている。
さらに生理ナプキンでは、激しいスポーツをするアスリートたちに面倒な体験となる。ナプキンのズレを気にして体が思うように自由に動かせないからだ。
スクーンカップ なら、まるで生理がない日のように快適な生理期間を過ごすことができる。
自分の体を知るきっかけに
スクーンカップ を使うには、自分の手で膣に挿入し取り出しも行うのだが、生理サイクルは毎回同じというわけではなく、時には量が増えたり、色が濃かったり、毎月微妙に変化する。その変化を身近なところでキャッチできるのもスクーンカップ の特徴である。
身体と向き合っていくことの大切さ
つまり自分の体と身近な感覚で付き合っていくこと、その大切さを教えてくれるのだ。「陰部」という言葉は陰の部分と書くが、これまで自分の膣をみたことも触ったこともない人が多い中、スクーンカップ はちょっとした革新的な体験を与えてくれる。
生理は汚いものではない
生理は汚いものではなく、とても大切な身体の機能であること。慈しみの心を持って、身体と向き合っていくことの大切さを、すべての人にわかってほしい。
生理は女性だけのものではない
スクーンカップ は日本で初めて厚生労働省の認可を得て発売された月経カップだ。日本で発売された当時はスクーンカップ が業界の一番乗りのブランドとして、大きく注目された。画期的な「第3の生理用品」としてメディアでも頻繁に取り上げられた。
5年経って、他の会社が市場に参入してきたが、他の会社は例に漏れず「女性の月経カップ」という表現をしている。
ジェンダー問題を考慮
スクーンカップ は「すべての女性に」と言う代わりに、「すべての生理ある人へ」と言う表現を使う。なぜなら、昨今のジェンダー問題から見てもわかる通り、生理があるのは女性に限るものではない。女性の体に生まれても、心はそうでない人もいる。
スクーンカップ はそんな個人の性意識を尊重するブランドでありたい。
#国際女性デーによせて
国際女性デーは女性の歴史の中で、その努力や闘いを示唆する素晴らしいコンセプトである。スクーンカップ もこの期間に多くの人にリーチアウトして、自分の女性性を大切にすることを訴えたい。しかしながら、生理は、女性だけの問題ではない。
そこを踏まえた上で、この国際女性デーによせて、私たち一人一人が自分の
アイデンティテーと体を大切にすることを、すべての人に訴えかけたい。