日本で女性するのは、まったく大変だ
写真や動画の顔を入れ替える技術はこれまでにも多々あった。
遊びとしては面白いし、技術革新のすごさには驚く。
ここで紹介するツイートはSberSwapという技術で、おそらく革新的な技術なのだろうけど、アンジェリーナ・ジョリーの顔に替えられた日本人女性の「動き方」に、SNS上での反応が面白い。
炎上したツイッターの主なコメントは以下のとおり。
綺麗に入れ替えても違和感が残る。その違和感とはなんだろう。
このツイート投稿での顔の入れ替えは、とても自然にできていると言える。
それなのにこのアンバランス感は何だろう?
ニューヨークで暮らしている筆者は、日本人女性に対して
「ステレオタイプ」なイメージを持っているアメリカ人が多いことに驚く。
「従順」「ひかえめ」「子どもっぽい」「空気を読む」「まわりに合わせる」
そんなイメージばかり。
ネガティブな意図で使われているわけではないにしてでも、聞く度に反発を感じる。
そしてこのTwitterのクリップを見ると、私たち日本女性が、知らず知らずの内に、社会の中で押し付けられてきた「可愛いイメージ」を演じさせられてきているような気がした。
日本で女性をするのは本当に大変
これがもし男のモデルならどうだったろうか。
日本男性のモデルと、例えばブラッド・ピットの顔と据え変えても、顔と体の大きさのバランスさえ合っていれば、こんなに違和感はないだろう。
スクーンカップというフェムテック製品の事業を経営しているからか、私はついついそんなジェンダー問題を考えてしまう。
日本で女性をするのは本当に大変だ。知らず知らずの内に意に添わない刷り込みをされてしまうから。
この日本人モデルを悪く言う意図はなく、私たち一人一人に喚起される、「振り返り」の機会にしたいと思う。
おそらくこの技術のクリエーターは、こんな炎上は予想せず、ただ女性の表情や動きなども緻密に再現できる技術のことだけを訴えたかったのだろう。
勝ち組の女たち?
相手に迎合しない、強い女性に憧れる女子も多いものの、私たちのまわりには、いつの間にか、男に対して最後には一歩ゆずる女性が賢いとされる風潮があるように思う。
ハイスペックな男をパートナーにもつためのテクニックやノウハウが氾濫する中で、女性が本当に自分らしい、媚びない姿勢で生きていくにはどうしたらいいのか。そんなことを考えさせられた投稿だった。