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一見不可能に見える目標を達成する科学

海水浴に行った砂浜で、迂闊にも 車の鍵を落としてしまったことに気がついたとする。どこまでも広いビーチのどの辺に落としてしまったのかわからないと、まずその時点で途方に暮れるだろう。けれどもし、座っていたあの辺りの四方20メートル位だと大体の見当がつくと、 まずは探し始めることができる。

人生も同じようなものだ。探しているものがどこにあるのか全く見当もつかないような状態だと、人は探し続ける気力をなくす。反対に、絶対にあの辺にあるはずだと確信できれば、そう簡単にはあきらめず、何度も何度もその辺りを掘り返してその手に掴むまで探し 続ける。

どこで諦めるか、どこで音を上げてしまうのかで、その結果は変わってくる。その基盤となるのは絶対にそこにあるはずだという確信だ。そして究極のゴールに近づくための、羅針盤。これはイコール ストラテジー(戦略)だ。

例えばスティーブ・ジョブズはその確信があった。だから、何度も何度もiPhoneの開発をやり直させて その機能とデザインをよりシャープなものに変革していった。

確信は非常に重要だけど、確信だけで戦略がなければ達成できない。そして為末大さんがその著書で書いているように『諦める勇気』も、時として必要になる。

為末さんは諦める時の苦しさ、その源には他人との比較があると言ってらした。他の人と比較して『 なんで自分だけ』と言う気持ちがあれば、苦しみはいっそう強くなる。けれども、自分で自分の心に問いかけて、もう精一杯やったんだから、ここで一段落つけようと思う事は負けではない。

さらにまた、「 予実対比」という言葉についても触れていた。予実対比とは、当初の計画(予算)と実績を比較して、その差が生じた原因を分析すること。つまり、 計画どおりにいかなかったときに、”なぜ”なのかを考える ということだ。経営や会計などの分野で使われる言葉だけれど、けっこう応用が利く。

為末さんはこうも言っている。『陸上競技のトレーニングでは目標達成のためにあらゆることを数値化し、目標が達成されたところを繰り返しイメージする』。

漠然と「こうなりたい」と思っているだけだと結局流されてしまうということだろう。

さらにこうも言っている。『継続的にパフォーマンスを最大化するには、「死ぬ気で」やるよりも適度な目標設定のほうが効果的だ。山登りで頂上が見えた途端、どれだけバテていても登りきれそうな気分になるのと一緒で、頑張ればいけそうだという感触はパフォーマンスを最大化することにつながる。

そして最後に重要なことは、その目標について『何を』から『なぜ達成したいのか』にシフトして考えてみること。誰かに認めてほしいからなのか、何かを見返したいからなのか、あるいはそんなネガティブなものでなく、自分にとって根本的な価値観に根差したものなのか。

なぜなら、一番苦しい時に、この『なぜ、何のために』という問いかけの答えが、行動の原動力になるから。結局のところ、突き詰めれば必ずそこにたどり着く。


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