見出し画像

脳: 生涯に渡って開き続ける花のよう

脳科学において、脳がハードウェアとソフトウェアに分けられるとはもう考えられなくなっている。それよりも脳は、変化し続けるプラスティシティ(可塑性)と言う性能を持つことが明らかになってきた。

プラスティシティ(可塑性)はアメリカの心理学者ウィリアムジェームスによって生み出された新しい用語で、経験が脳を変え、脳はその変化を保持することを説いたものだ。

「可塑性(かそせい)」とは、「固体に外力を加えて変形させた時に、その力を取り除いても元には戻らずに成形される性質」を意味している。

つまりプラスチックのように、「外から熱・圧力を加えて成形できる性質である塑性」を意味しているのだけれど、脳の場合はプラスチックとは違い、一度形成されたらそのままではなく、常に変化を続ける性質を持っている。

美しい音楽に心を動かしたり、ダンスを習って自由に踊れるようになったり、見知らぬ国へ出かけて初めて見る風景に感動したり。その度に、その経験のすべてが脳細胞と細胞間の接続という、微小でありながら広大なタペストリーに大きな影響を与えている。

脳は持ち主の生涯が終わるまで変化し続け、自らを改造し続ける。私たちは生涯を通じて何かに向かって花を開き続ける。

たくさんの星が生まれたり、消滅したりしながら、常に変化している宇宙のように、脳は変化していて、少なくとも今日のあなたと昨日のあなたはわずかながら違っていて、明日のあなたはまた少しだけ別の人間になる

そう考えれば、今この時、何を見て、何を感じて、何をどう考えるのか、これまでと違った気持ちにならないだろうか。




=======================
以下の3冊を出版。レビューで応援していただけると嬉しいです。

Kindle読み放題サブスクされてる方は無料

 

サポートは株式会社スクーンジャパンおよび米国スクーン社が乳がんのNPO団体(LBBC)に寄付する資金に利用させていただきます。