見出し画像

ペンションメッツア

誰もがみんな、特別な物語を持っている。どこかでそれを誰かに聞いてほしいと感じている。そんなことを彷彿とさせるドラマ『ペンションメッツア』はほのぼのとした物語だ。

数年前にNetflixで放送されて、長野県のカラマツ林に建つ一軒の家でペンションを営む女主人とふらっと寄り付いた客との会話に、大事なことに気づかされる。

たとえば第一話は「山の紳士」というサブタイトルで、このペンションに常木という男がどこからともなく現れる。女主人と交わされるなごやかな会話、そして信州の森の美しい景色が映し出されて、ほんわりとした気持ちになる。

翌朝、女主人が客の部屋に様子を見に行くと、ベッドの上には手紙と置き土産がぽつんと残されているだけ。詳細はドラマを見てほしいけれど、ちょっとメルヘンチックでお伽話のような風合い。

女主人を演じる小林聡美さんは、「すいか」や「やっぱり猫が好き」の作品で人気のある、凛として爽やかな印象の人だ。きちんと立って、きちんと生きている、そんな雰囲気が伝わってくる。

まるで美しい短編映画のような『ペンションメッツア』。
WOWWOWでも観れるらしい。おすすめだ。





サポートは株式会社スクーンジャパンおよび米国スクーン社が乳がんのNPO団体(LBBC)に寄付する資金に利用させていただきます。