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ヨーロッパ文化教養講座(2019年フランス・日本映画「真実」)

2023/06/05
個人的採点は、★★★
(★★★は、再び観たいとは思わないが、退屈せず、観ていた時間は楽しめた作品)
Filmarks: 3.6 (9,456レビュー)

是枝監督作品にカトリーナ・ドヌーヴが主演、ジュリエット・ビノシュも出演するということを知って録画して鑑賞。
カトリーナ・ドヌーヴは、「シェルブールの雨傘」をまだ10代のときNHKで観て衝撃を受けた記憶がある。
ドヌーヴの美しさ、ミシェル・ルグランの音楽の素晴らしさはもちろんだが、悲恋に対する免疫がなかった子供だったからだということもあったと思う。

それ以降はフランス映画を観ていなかったこともあって、ドヌーヴがずっと現役で頑張っていることも知らなかった。

シェルブールの雨傘から55年後のこの映画では、貫禄のあるドヌーヴが、往年の名女優ファビエンヌとして、メディアのインタービューを受けるところから始まる。一瞬、ドキュメンタリーと思った。

「万引き家族」で第71回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した是枝裕和監督が、初めて国際共同製作で手がけた長編作品。

母と娘の間に隠された真実をめぐる物語を、フランスを代表する女優カトリーヌ・ドヌーブジュリエット・ビノシュの共演で描く。

フランスの国民的大女優ファビエンヌが自伝本「真実」を出版し、それを祝うためという理由で、アメリカに暮らす脚本家の娘リュミールが、夫でテレビ俳優のハンクや娘のシャルロットを連れて母のもとを訪れる。
早速、母の自伝を読んだリュミールだったが、そこにはありもしないエピソードが書かれており、憤慨した彼女は母を問いただすが、ファビエンヌは意に介さない。しかし、その自伝をきっかけに、母と娘の間に隠されていた愛憎渦巻く真実が次第に明らかになっていく。

女優として優れていることを何よりも優先するファビエンヌをドヌーブ、娘のリュミールをビノシュが演じた。そのほかリュミールの夫ハンク役でイーサン・ホーク、ファビエンヌの共演女優役でリュディヴィーヌ・サニエら実力派キャストが顔をそろえる。2019年・第76回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品。日本人監督の作品として初めて、同映画祭のオープニング作品として上映される。

2019年製作/108分/G/フランス・日本合作
原題:La verite
配給:ギャガ

映画.com より

コメントと感想:

1.ドヌーヴが演ずるファビエンヌは、年をとったスター女優のステレオタイプ(我が儘、高慢、大酒飲み、ヘビースモーカー、恋多き)を見事に演じているが、見事すぎて自分もそうだったのではないかと思わせるほど。

2.親子役のドヌーヴ、ジュリエット・ピノシュの名優の愛憎劇が和解へと進む中、劇中劇(SF映画)でドヌーヴと競演する新人女優のマノン・クラヴェルが加わった、ラストシーンは感動的だった。
マノン・クラヴェルの容姿に合わない低音の声が良かった。

3.タイトルで「真実」と強調するほどの異常な真実があったわけではなく、「万引き家族」のような特異な家族ではない(スター女優の家族という点では特異かもしれないが)視聴後ホッとする気持ちの良い映画だと思った。

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