ヨーロッパ文化教養講座(「インフェルノ」のChi cerca, trova)

2022/11/05
今日は、イタリア語のレッスン日だったが、テキストにイタリア語の諺として、Chi cerca, trova が出てきた。
Chi cerca, trova. は、英語では、日本語に訳すと、「探す人は、見つける」という意味。

このChi cerca, trova は、ダン・ブラウンの「インフェルノ」の暗号を解く鍵として出てくる。

イタリア人の先生は、当然のように小さい頃からこの文章を諺として、使っているそうだが、実は、聖書の一節であることを知らなかった。

マタイによる福音書 第7章第7節~13節
Vangelo secondo Matteo Capitolo 7 Versetto 7-14
7 Chiedete e vi sarà dato, cercate e troverete, bussate e vi sarà aperto.
8 Perché chiunque chiede riceve, e chi cerca trova, e a chi bussa sarà aperto.
9 Chi di voi, al figlio che gli chiede un pane, darà una pietra?
10 E se gli chiede un pesce, gli darà una serpe?
11 Se voi, dunque, che siete cattivi, sapete dare cose buone ai vostri figli, quanto più il Padre vostro che è nei cieli darà cose buone a quelli che gliele chiedono!
12 Tutto quanto volete che gli uomini facciano a voi, anche voi fatelo a loro: questa infatti è la Legge e i Profeti.
13 Entrate per la porta stretta, perché larga è la porta e spaziosa la via che conduce alla perdizione, e molti sono quelli che vi entrano.
14 Quanto stretta è la porta e angusta la via che conduce alla vita, e pochi sono quelli che la trovano!

日本聖書協会 新共同訳
7「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。
8 だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。
9 あなたがたのだれが、パンを欲しがる自分の子供に、石を与えるだろうか。
10 魚を欲しがるのに、蛇を与えるだろうか。
11 このように、あなたがたは悪い者でありながらも、自分の子供には良い物を与えることを知っている。まして、あなたがたの天の父は、求める者に良い物をくださるにちがいない。
12 だから、人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。これこそ律法と預言者である。」
13 「狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々として、そこから入る者が多い。
14 しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見いだす者は少ない。」

文語訳では、求めよさらば与えられん から始まる有名な聖書の箇所だが、13節には、「狭い門から入りなさい。」という、アンドレ・ジッドの『狭き門』(せまきもん、原題:La Porte étroite、1909年)のテーマである。

また、夏目漱石の『門』を始めて読んだとき、『狭き門』のことを思い出した。ただ、『門』が1910年朝日新聞連載とのことなので、ジッドの『狭き門』に夏目漱石がアクセスできたかどうかは、わからない。


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