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ヨーロッパ文化教養講座(2023年日本映画「こんにちは、母さん」山田洋次監督)

2024/09/10
9月13日で93歳になられる山田洋次監督の最新作
「令和の映画とは思えない」とか「今どきの女子大生がこんな話し方をしない」とか指摘はあるかと思うが、アキ・カウリスマキ監督と同様、山田洋次監督はご自分の様式を貫かれればそれで良いのだと強く思う。
山田洋次監督の映画はいつものように、優しさに溢れていると思った。

映画の内容としては自分が実際経験したことにも重なることがあったので、食い入るように観た。

具体的には、
・大企業の人事部長神崎昭夫(演 大泉洋)がリストラをする立場に苦しんだ場面をみて、小生も40歳台のころに部下に「辞めてくれ」と言わされた苦々しい想い出が蘇ったこと。
・ホームレス支援団体に所属しているので、そのホームレスの人の中には、生活保護申請をためらう人がいることを実感していること。また、神崎昭夫のように、ホームレス生活者を「人生の敗北者」と決めつける人が多いのを感じていること。
・キリスト教会による、ホームレス支援が全国で行われていること。

山田洋次監督が吉永小百合を主演に迎え、現代の東京・下町に生きる家族が織りなす人間模様を描いた人情ドラマ。
同じく山田監督と吉永主演の「母べえ」「母と暮らせば」に続く「母」3部作の3作目にあたり、劇作家・永井愛の戯曲「こんにちは、母さん」を映画化した。
大会社の人事部長である神崎昭夫は、職場では常に神経をすり減らし、家では妻との離婚問題や大学生の娘との関係に頭を抱える日々を送っていた。
そんなある日、母・福江が暮らす下町の実家を久々に訪れた彼は、母の様子が変化していることに気づく。
いつも割烹着を着ていた母は艶やかなファッションに身を包み、恋愛までしている様子。
実家にも自分の居場所がなく戸惑う昭夫だったが、下町の住民たちの温かさや今までとは違う母との出会いを通し、自分が見失っていたものに気づいていく。

母・福江を吉永、息子・昭夫を大泉洋が演じ、永野芽郁寺尾聰宮藤官九郎田中泯YOUが共演。
2023年製作/110分/G/日本配給:松竹劇場
公開日:2023年9月1日

映画.com

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