英語の時制③-0:未来時制(学校英語の復習+α)
学校英語における未来時制の定番説明
中学と高校での英語習得が不十分な人のために、学校英語の復習を記事化しました。今後も少しずつ説明を追加・修正していく予定です。
英語の時制の基礎知識
①時制には、大きく分けて2つの種類(階層)がある
1. 基本時制(大きな階層)
a. 現在時制:動詞の現在形[am/are/is, do/doesが代表例]で表す
主語が3人称単数の場合、現在形は「3単現のs形」[doesが代表例]になる
b. 過去時制:動詞の過去形[was/were, didが代表例]で表す
過去形には、「3単現のs」のような人称・数による変化はない
c. 未来時制:will + 動詞の原形[be, doが代表例]で表す
be going to + 動詞の原形[be, doが代表例]で表す
2. 特殊な時間を表す表現(基本時制の下の階層)
a. 進行形:be + 動詞の現在分詞[being, doingが代表例]で表す
b. 完了形:have + 動詞の過去分詞[been, doneが代表例]で表す
②自動詞・他動詞とは別に、動詞には2つの種類(分類方法)がある
1. 動作動詞:1回のまとまった動作を表す
2. 状態動詞:同じ状態の継続を表す(心理・感情、知覚・感覚、その他の状態)
③英語の動詞の活用形
1. 学校英語で覚える動詞の活用は3通り+α
3単元のsがつかない原形do、過去形did、過去分詞done
現在形は原形と同じ(3単元のsは例外)、be動詞は別枠、現在分詞(形)も別枠
2. 厳密な意味での動詞の活用は5通り
原形be、現在形am/are/is、過去形was/were、
過去分詞(形)been、現在分詞(形)being
原形do、現在形do/does、過去形did、過去分詞(形)done、現在分詞(形)doing
(過去分詞と現在分詞の語尾に「形」をつけるか否かは、考え方による)
未来を理解する鍵「未来形という動詞の活用形は存在しない」
学校英語では、未来形ではなく未来時制と呼ぶのが定番(未来表現とする人も)
学校英語でも学術英語でも、英語の動詞の活用形は原形・現在形・過去形・過去分詞(形)・現在分詞(形)の5通り(過去分詞と現在分詞の語尾に「形」をつけるか否かは、考え方による)。一方で、学校英語で覚える動詞の活用は3通り(3単元のsがつかない原形・過去形・過去分詞)なので、勘違いしないように注意が必要。
話を述語動詞Vに限れば、動詞単独で時制を表すことができるのは現在形と過去形の2つだけ。未来は"助動詞will(be going to) + 動詞の原形"で表し、動詞単独で表すことはできません。これが「未来形」という呼び方を使わない理由(学校英語でも学術英語でも)。さらには、未来時制/未来表現には様々な表し方が存在することも、学校英語で未来を説明することを難しくしている原因の1つです。
学校英語の範囲を逸脱してさらに深堀りすると、未来形がダメなら実は[現在・過去・未来]進行形もダメなはず(進行形という動詞の活用形は存在しないから)。では、アスペクトの和訳「相」を使って進行相、あるいは複数単語からなるphraseの和訳「句」を使って進行句と呼ぶべき? この点は学校英語でも学術英語でも統一されておらず、私1人の力ではどうすることもできないので、ここでは問題点を指摘するだけに留めておきます。
英語の基本時制(時間表現)のまとめ
基本3時制(現在時制・過去時制・未来時制)、または
基本2時制(現在時制・過去時制)と未来表現(人による)
I. 未来時制/未来表現(現在時制や過去時制よりも表し方が多様≒未整理)
以下、現在時制・過去時制・未来時制、現在形・過去形・未来表現と揃えて表記
◉未来表現の基本用法:助動詞willとbe going to
①"助動詞will + 動詞の原形"で未来を表す(助動詞shallは古い表現:ほぼ死語)
人間の意志とは無関係な単純未来と人間の意志次第の意志未来の2用法に分類
単純未来の例:It will rain tomorrow.(原則「〜だろう」と和訳、が定番説明)
意志未来の例:I will do it later.(原則「〜するつもり」と和訳、が定番説明)
②"be going to + 動詞の原形"で、未来を表す
話す前からするつもりでいたことや近い未来に確実に起こりそうなことを表す
I am going to study English.(原則「〜するつもり/しそう」、が定番説明)
③"助動詞will"と"be going to"の違いの定番説明
will:その場でする気になったこと(事前の準備・計画や兆候がない)
be going to:前からするつもりでいたこと(事前の準備・計画や兆候がある)
④現在形・過去形と違い、未来の動作が習慣・反復的か1回か普通は区別しない
起こっていない動作・出来事でこうした区別をする必要・意味がない
◉未来表現の応用や特殊用法(基本用法では説明しにくい場合)
⑤条件を表すif節の中で相手に対する依頼を表すwill(if you will do …)
◉未来表現の簡便な説明
⑥原則として、"助動詞will"は「〜する/するつもり/〜だろう」と和訳する
⑦原則として、"be going to"は「〜しそう/するつもり/する予定」と和訳する
II. 未来進行形(現在進行形の未来への適用で原則として説明可能)
◉未来進行形"助動詞will + be doing"の基本用法
①未来進行形で、未来の時点で進行中だと予測・予想する動作を表す
言い換えると、一時的に(繰り返し)おこなっていて終わっていない動作
②未来の時点で行うことが決まっている予定・計画(決定、取り決め)を表す
言い換えると、(心構えや準備をしている)近い未来の個人的予定を表す
◉未来進行形の定番説明
③現在形と同様に、動作動詞は未来進行形にできるが状態動詞はできない/しない
状態動詞の進行形で例外的に、動作化・一時的状態の強調・状態変化(推移)を表す
◉未来進行形の簡便な説明
④原則、"will be doing"は「〜しているだろう/することになっている」と和訳する
III. 未来時制/未来表現の多様性:現在時制(現在進行形と現在形)で未来を表す
①現在進行形で、進行中・準備中の動作を表す(近い未来の個人的な予定)
I'm/We're going to Disney World!
移動中(普通の現在進行形)と非移動中(未来表現)、2通りの解釈が可能
②現在進行形で、近い未来の予定・計画(決定、取り決め)を表す
言い換えると、(心構えや準備をしている)近い未来の個人的予定を表す
②現在形で、確定した未来の予定・計画を表す
The parade starts in ten minutes.
③時や条件を表す副詞節では、現在形で未来のことを表せる
④その他、現在形の未来表現
be (about) to do
be due to do
be on the point/verge/brink of doing
◉比較のため、普通の未来時制/未来表現を再掲
⑤willで未来:We will win the Super Bowl.
⑥be going toで未来:We are going to win the Super Bowl.
参考にした総合英語書籍
アトラス
INSPIRE
Evergreen/Forest
ジーニアス
以下をクリックして時制編の関連記事をご覧ください。学校英語で説明が足りない点を補ってもらうための教材です。
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