英語の時制②-0:過去時制(学校英語の復習)
学校英語における過去時制の定番説明
中学と高校での英語習得が不十分な人のために、学校英語の復習を記事化しました。今後も少しずつ説明を追加・修正していく予定です。
英語の時制の基礎知識
①時制には、大きく分けて2つの種類(階層)がある
1. 基本時制(大きな階層)
a. 現在時制:動詞の現在形[am/are/is, do/doesが代表例]で表す
主語が3人称単数の場合、現在形は「3単現のs形」[doesが代表例]になる
b. 過去時制:動詞の過去形[was/were, didが代表例]で表す
過去形には、「3単現のs」のような人称・数による変化はない
c. 未来時制:will + 動詞の原形[be, doが代表例]で表す
be going to + 動詞の原形[be, doが代表例]で表す
2. 特殊な時間を表す表現(基本時制の下の階層)
a. 進行形:be + 動詞の現在分詞[being, doingが代表例]で表す
b. 完了形:have + 動詞の過去分詞[been, doneが代表例]で表す
②自動詞・他動詞とは別に、動詞には2つの種類(分類方法)がある
1. 動作動詞:1回のまとまった動作を表す
2. 状態動詞:同じ状態の継続を表す(心理・感情、知覚・感覚、その他の状態)
③英語の動詞の活用形
1. 学校英語で覚える動詞の活用は3通り+α
3単元のsがつかない原形do、過去形did、過去分詞done
現在形は原形と同じ(3単元のsは例外)、be動詞は別枠、現在分詞(形)も別枠
2. 厳密な意味での動詞の活用は5通り
原形be、現在形am/are/is、過去形was/were、
過去分詞(形)been、現在分詞(形)being
原形do、現在形do/does、過去形did、過去分詞(形)done、現在分詞(形)doing
(過去分詞と現在分詞の語尾に「形」をつけるか否かは、考え方による)
過去形と過去進行形(仮定法&丁寧表現は助動詞も関与するので別記事)
過去を理解する鍵「現在の過去スライド」
「今」という時間は時間の経過とともに必ず「過去」になる、という事実。それを一言で言い換えると、「現在の過去スライド」。現在時制の過去スライドで説明できる部分と説明できない部分という整理をしてみると、現在と過去の用法がスッキリと整理できるはずです。
I. 過去形(現在形の過去スライドでは説明できない過去形特有の用法が多数)
◉過去形の基本用法
①動作動詞の過去形で、過去の習慣・反復的な動作を表す
always, usually, often, sometimes等の頻度を表す副詞と一緒に使うことが多い
②状態動詞の過去形で、過去の状態を表す
③現在形とは違い、過去の1回の動作を表す
※本当は現在形に1回の動作を表す用法はあるが、学校英語では扱わない
④一般的事実や真理を表すのは現在形特有の用法で、過去形にはない
※分かっている人には当たり前のことですが、念のため
◉過去形の応用や特殊用法(基本用法では説明しにくい場合)
⑤現在形とは違い、助動詞"would"や"used to"を使って過去の習慣を強調する
⑥現在形とは違い、過去形に未来を表す用法はない
⑦過去形は現在とは無関係の過去の事柄を表す
※これだけでは説明不足、「現在完了」との対比で初めて納得できる視点
◉過去形の簡便な説明
⑧原則として、過去形"was/were"は「〜だった/でした」と和訳する
⑨原則として、過去形"did"は「〜した/しました」と和訳する
II. 過去進行形(現在進行形の過去スライドで原則として全て説明可能)
◉過去進行形の基本用法
①過去進行形で、過去の時点で進行中だった動作を表す
言い換えると、一時的に(繰り返し)おこなっていて終わっていなかった動作
◉過去進行形の応用や特殊用法(基本用法では説明しにくい場合)
②過去の時点から見た近い未来の予定・計画(決定、取り決め)を表す
過去の時点から見た(心構えや準備をしている)近い未来の個人的予定を表す
③達成・完結等の動詞の進行形で、「~しかけていた」(変化の途中)を意味する
④頻度の多さを示す副詞と使い、「~ばかりしていた」を意味する(反復を強調)
◉過去進行形の定番説明
⑤現在形と同様に、動作動詞は過去進行形にできるが状態動詞はできない/しない
状態動詞の進行形で例外的に、動作化・一時的状態の強調・状態変化(推移)を表す
◉過去進行形の簡便な説明
⑥原則として、過去進行形"was/were doing"は「〜していた/していました」と和訳する
参考にした総合英語書籍
アトラス
INSPIRE
Evergreen/Forest
ジーニアス
以下をクリックして時制編の関連記事をご覧ください。学校英語で説明が足りない点を補ってもらうための教材です。
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