Art と Science ロマネスコ の幾何学的構造
実家の畑でカリフラワーの仲間であるロマネスコがとれました。ゆでてマヨネーズで食べると美味しいです。どーなってるの??と二度見も三度見もしてしまう不思議な形のこの野菜は、フラクタルと呼ばれる構造をしています。
フラクタルとは
フラクタルとは、「どれだけ拡大してもさらに細かい構造が現れるもの」です。その中でも数学的フラクタルとは、「自己相似性」という特殊な性質をもつ幾何学的構造を言います。フランス人の数学者が発見しました。どれだけ拡大しても果てしなく同じ形状が現れる不思議な構造です。
ロマネスコは、つぼみの各部分が、全体を縮小した形をもっており、フラクタルに典型的にみられる見事な自己相似性を持っています。ロマネスコ、の中のロマネスコ、の中にもロマネスコ、そのまた中にもロマネスコ・・・
自然界のフラクタル
数学的フラクタルと異なり、自然がつくるフラクタルでは拡大した細部はそれぞれ微妙に異なっています。例えば、海岸線。イギリスのコーンウォールの海岸線はフラクタルであることが知られています。拡大すればするほど細かな海岸線が現れますが、その細部の形状は同じではありません。このような構造も大きい意味でフラクタルと呼ばれます。
このような意味でも、ロマネスコは自然界が作ったにも関わらず、パッと見る限り数学的フラクタルと言ってもいいような同じパターンの繰り返しであることは驚くべきことです。
①雪の結晶
自然がつくる雪の結晶もフラクタルです。そしてコッホ雪片というシンプルな数学的フラクタルはまさに雪の結晶のかたちです。
コッホ雪片の描き方
・1本の直線を引く
・次に、真ん中の3分の1を正三角形(の底辺がないもの)ができるように出っぱらせる。
・これを繰り返す
・120度ずつ回転させて3つ繫げると、雪の結晶に似た形になる。
②シダ
シダもフラクタルです。葉を拡大してみていくと、小さな葉が並んで、またその葉も小さな葉からなっています。シダではありませんが、右のような葉もフラクタルです。
バーンズリーのシダという数学的フラクタルは、小さな葉が全体の葉の形を縮小した形になっています。どこまで行ってもシダシダシダシダ・・・本来は数式を用いて無限に描くのですがそれは不可能なので、本物のバーンズリーのシダではありませんが、人力で一部を描いてみました。
数学的フラクタルを描いてみる
幾何学的なシンプルな数学的フラクタルの作り方をいくつかご紹介します。暇つぶしにどうぞ。
①シェルピンスキーの三角形
正三角形を書き、それを4つの小さな正三角形に区切り真ん中の△を取り除く、を繰りかえす。
②シェルピンスキーのカーペット
正方形を書き、それを9つの小さな正方形に区切り真ん中の正方形を取り除く、を繰り返す。
さらに繰り返す・・・止め時が分からない沼
③アポロニウスのギャスケット
大きな円の内部にたがいに接する円を2個描き、残った部分を同様に埋めていく。
④フォードの円
直線状に等しい半径の円を互いに接するように2つ描く。次に、その下の隙間に接する円を描き続けて、すき間を埋めていく。
フラクタルは現在勉強中です。簡単ご紹介になりましたが、皆さんもぜひ楽しんで身の回りのフラクタル探しをしてみてくださいね。
『参考資料』
フラクタル〜混沌と秩序のあいだに生まれる美しい図形〜(アルケミスト双書)