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【知識や意志力ではタバコは辞められない:ポイントは合図と習慣】

誰でも辞めたいと思う悪癖は持っていると思う


その中でもなかなか辞められない依存性が高い物として、[タバコ]があげられる


結論から言うと

“依存性の高い習慣は知識や意志力ではまず辞められない!!”


これはアメリカ1950年代のアメリカの話である

当時のアメリカは、喫煙による健康被害の知識はなく、喫煙率は50%であった


1952年に英国研究者のリチャード・ドール氏とリチャード・ピート氏がリーダーズ・ダイジェスト誌で“喫煙は最大10年寿命を縮める”と掲載した

しかし
かなり衝撃的な内容にも関わらず、喫煙率はあまり低下しなかった
(※タバコ会社もフィルターを付けたり、広告をうったり対策を色々していた)


それから12年が経過し、1964年SGR(公衆衛生総監報告)が、アメリカにおける予防可能な死の主要因がタバコであると発表

すると徐々に喫煙率は減り、50年かけて現在は約15%まで減少した


15%まで減少しているとは言え、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の報告によると、喫煙者の68%が完全な禁煙を望んでいるという


※参考文献

faculty.wcas.northwestern.edu/eli-finkel/doc…


しかし、禁煙に試みた人はほぼ失敗する


※参考文献2


禁煙に成功するのは10人に1人と言われる


※参考文献3

researchgate.net/publication/31…


ほとんどの人は禁煙を始めて1週間もしないうちに、またタバコを吸っている

そして30回以上挑戦して、やっと成功した人も存在している

※参考文献4


この30回以上も成功するまでに時間がかかるというより、30回も挑戦しつづけたこの人の粘り強さが凄いが…
そんな粘り強い人はほとんどいない


そんなほぼ自力では無理な禁煙を可能にしたのは

ニクソン大統領が署名した公衆衛生喫煙法である


この法律は喫煙環境を大きく変え、タバコの自販機は消え、ビーチでも電車でもオフィスでも吸えたタバコが、指定場所でしか吸えなくなってしまった


アメリカは州ごとに規制レベルを変えられるため、レストランやバーで吸える州もあれば、吸えない州も存在する


そこで研究者がそういった州の喫煙ルールレベルで喫煙率がどう変わるか調べたところ、

やはりレストランやバーでもタバコが吸える州では、住民の3人に1人が吸っていた


つまり
規制があろうと無かろうとタバコを吸いたい欲求は変わらないが、環境によって喫煙率がかなり変わってくるのがわかる



【ニコチンの依存性とは関係なくタバコを吸っている習慣の怖さ…】

ここで一つ紹介しておきたいのが、イギリスのパブで行われた実験である


※参考文献5

researchgate.net/publication/51…


そのときイギリスではちょうど喫煙が規制され、タバコを吸ったら罰金刑になるようになった


被験者にはいつも通り過ごしてもらい、いつも通りパブに入り、いつも通りお酒を注文してもらった

すると
被験者の半数近くが、罰金になるにも関わらずタバコに手を伸ばし火をつけようとした


「……は!!!」と被験者たちは途中で我に返りタバコの火を消したが、ここから分かるのが…


ニコチンの依存性(吸いたいという欲求)とは別に、[習慣]が乗っかっているのがわかる


被験者がタバコを吸おうとしたことに、欲求はほぼ存在せず


いつもの店…いつものお酒…いつものタバコ…

というルーティンが勝手にタバコに手を伸ばさせていた


事前調査でも

被験者たちパブでは「考える事なく自動的にタバコに火を付ける」と答えていた


つまり、習慣で吸っていた人は、アメリカのタバコ規制のように、タバコを吸う[合図(時間、場所)]を消すことで習慣が消えていくことになる


また購入する場合も、今まではすぐに手の届く所にあったものが、わざわざ店員に言って買わないといけない

値段も習慣を妨げる要因となる

無意識に買っていたものが、高額になることで買えなくなってきたり、購入することに意識的になる



【合図の制限による禁煙方法】

ここまでニコチンのような依存性の強い習慣でも、吸わない状況を作り上げることで辞めることができると説明してきたが

“どんな状況(合図)を出す事で辞められるのか?

またどんな状況が喫煙者へ戻す合図になっていたのか?”


これらを明らかにした研究がある


※参考文献6


ワシントンD.Cで、禁煙に積極的な喫煙者475人を対象に、タバコを吸う合図を前にしたらどうなるかを検証する実験である


被験者達には、タバコを吸いたくなった度合いを1ヶ月に渡って毎日報告してもらった


また、スマホの位置情報を利用してどこに居るかも確認した


すると

禁煙に失敗する被験者に、面白い事実がわかってきた


タバコを吸いたいという欲求がゼロだと報告していても、タバコが売っている店に入って、ある[合図]をきっかけに禁煙ができなくなっていた


その合図は

“誰かがタバコを買っている姿”

“レジの後ろにタバコが並んでいる”

などであった


その後、被験者はタバコを購入し、喫煙者に戻っていった


この研究からも分かるように
ニコチンの依存性とは全く関係ない所で、合図が出るだけで十分喫煙者に戻る事ができる


つまり
禁煙という強敵と闘いたい時は、[依存性]に真っ向から攻め込むのではなく、“依存の問題はあえて避ける”のが得策と言える

相手が有利な土俵で闘わない!!


これがポイントとなる


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しげ@学生時代の落ちこぼれを引きずる30代パパ
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