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【本当にお酒で殺菌できていた】

昔から「酒で殺菌してるから、病気にならん!」みたいな事を言う人が居ましたが、本当にお酒である程度殺菌できるみたいなんです

僕たちは飲食を通じて、食べ物や飲み物だけでなく、さまざまな細菌や微生物を体内に取り込んでいますが、それはつい最近まで社会を狂わせていたコロナウィルスも同じ


そもそも人は胃で酸を分泌する能力があり、これによりそんな細菌たちを死滅させることができるんですね

理屈をザックリ説明すると…

胃酸に含まれる水素イオンが菌の細胞に入りこみ、pHを急激に下げて、細菌の生命維持機能を破壊するシステムになっています


しかし、すべての細菌が胃酸に死滅させられるわけではなく、胃の酸性度が低いとき(分泌が少なかったり、水分摂取が多い場合など)や、酸性環境に耐性がある細菌等には、対抗が難しいと言われています


ここで重要になるのが、コロナ禍でも注目された「エタノール(エチルアルコール)殺菌」です


アルコール度数70〜80%のエタノールは、強力な殺菌効果があり、20%より低い一般の酒類では、殺菌力が低く、細菌等は死滅しません

このあたりはニュースで色々聞いたことがあると思います


しかし大切なのが…

低い度数のアルコールでも、“酸を加えて「酸性エタノール」にすれば、殺菌力が増大する”ということ


そこで今回紹介する研究では「胃の酸性環境では、酒は細菌等を死滅させる可能性がある」と言うものです

※参考文献


この研究では、酸に耐性がある土壌微生物や大腸菌O157などの病原性細菌に対して、酸と低濃度エタノールを混合した液体の殺菌効果を調べてくれました


実験では、細菌等(肺炎桿菌(はいえんかんきん)など)を異なるpH溶液やエタノールの濃度で処理し、その生存率を確認しました


すると「酸性度を挙げたビール」以外の環境では、「酸だけのとき」や、「低濃度エタノール単独」では、殺菌効果がほとんど確認されませんでした


見方を変えれば、そもそも「酸性度の高いお酒を選べば良いのでは?」 となります


「酸性の酒」つまり、ワインです


「ワインには殺菌効果がある」ということは、実は昔からよく言われていますが

(2008年に発表された研究では、食中毒の原因菌であるカンピロバクターは、アルコール度数12.5%でpH 3.6の赤ワインに入れると、99.9%以上死滅することが確認されています)


面白いのが、この効果は2倍に希釈したワインでも大きくは変わりませんでした

赤ワインのアルコール度数は10〜13%程度で、複数の有機酸が含まれpHは3〜4ほど

有機酸とエタノールが組み合わさワインは、それ自体が殺菌効果をもっているみたいなんですよね


「これならワインをガブガブ飲めば病気知らずだ!」と言いたくなるところですが、酸とエタノールの混合液でも、大腸菌O157を死滅させることは難しいみたいで、

今回の研究では、“酸とエタノールの混合液が,大腸菌O157に対して効果的でない”ことも確認されました


大腸菌O157のような特定の微生物は、細胞内に入った水素イオンを効果的に排除するメカニズムが備わっているため、わずかな殺菌効果しか得られないそうです

このほかにも、酸に耐性をもつ細菌は、赤ワインをもってしても対抗できない可能性があります


つまり今回の研究は、「殺菌としてお酒を呑もう!」と斡旋しているのではなく、「食事中のお酒が単なる楽しみではなく、健康に寄与する可能性がある」という事を示唆してくれているようです


しかしながら、これはあくまで可能性の問題であり、過度の飲酒は明らかに毒なので「酒飲んで消毒」を飲む言い訳にするのは辞めたほうがいいでね


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しげ@学生時代の落ちこぼれを引きずる30代パパ
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