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中学生への言葉①
学友考
昨今は聞かれなくなって久しいこの言葉の意味は、端的には「学校のともだち」である。諸君にとって一番身近な存在。時に反目し、喜びを分かち合うことで互いを認め合う関係ができる。
明治の俳人正岡子規は大学予備門時代、学友の特徴と批評をノートに書き残している。
『我学友の凡才度
夏目(漱石):英語優ナレドモ文悪ク冷淡
秋山真之(連合艦隊参謀):文優秀、悪行過ギタルコト甚ダシ。…』
現在の仲間の褒め事と悪口を書き留めたもので誠に他愛ない。子規は文を書くために生まれてきたように、目に映るすべてを文に残した。病床六尺の世界で友を文に残し、友に囲まれて夭折した。学友とは何か。それを考えてみる。それだけである。
(札幌市立中央中学校 三浦 雅美)