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【2022年6月号】映画感想メモ(世界の中心で、愛をさけぶ、シン・ウルトラマン)

※ 本記事の内容は、あらすじの解説やネタバレを目的としたものではありませんが、感想を述べるため、一部のシーンについて言及することがあります。映画をまだご覧になっていない方は、予めご了承ください。

【1】 シン・ウルトラマン(2022)


キャスト全員が正にハマり役です、最高。斎藤工さん演じるウルトラマンが、弱い存在である人間と共存する過程で、人間に魅力を感じていく。けど、きっとその「弱さ」とか「儚さ」が人間の魅力でもあるんだろうな、と。あとは、子供の頃にウルトラマンを観た世代の方々が、次は親としてお子さんと一緒に映画館に足を運んでいる様子を観て、とても微笑ましかったことを覚えています。


【2】 アイアムアヒーロー(2015)


漫画は一通り読んだことがあり、オチは既知の状態で鑑賞。男なら誰だって人生で一度は考える「もし、自分が世界のヒーローになったら?」という問い。けど、「ヒーロー」という存在は、なにも絶対的な存在ではないのでは?と思いました。この作品も題名を直訳すると「私は(1人の)ヒーローである」なわけで、他者との個人的な関係における、より相対的なものなんだろうなと思います。さて、僕は誰にとって「ヒーロー」になれているのでしょうか。


【3】 トップガン マーヴェリック(2022)


この1年間に映画館で視聴した作品で最も良いと思いました。キャスト(トム・クルーズ、マイルズ・テラー、ジェニファー・コネリー)のハマり具合、人間味たっぷりで起承転結のしっかりしたストーリー、技術力を存分に活かした映像美、そしてテーマソングを含む各種挿入歌、完璧です。僕はIMAXで鑑賞しましたが、空中戦の臨場感が凄すぎて、まるで自分も一緒に飛んでいるかのような感覚になりました。映像・音響技術すげえ、、。エンドクレジットでは、早くこの映画の魅力を友人と語りたいと、ウズウズしました。


【4】 世界の中心で、愛をさけぶ(2004)


大学の映画講義の分析対象だった作品で、腰を据えての鑑賞を希望し、リストに長期間保存した作品。ストーリーの起承転結は、朔太郎の心情の起承転結とリンクしており、映像の色味(青、オレンジなど…)で表現されていると思いました。ボイスメッセージは今も存在し、より手軽に利用できるようになりましたが、カセットテープという形に残るコミュニケーションも魅力的ですよね。ちなみに、ドラマ版も視聴しましたが、個人的には映画版の方が好みです。にしても、今月長澤まさみさんの作品めちゃ観てますね。


【5】 WAVES/ウェイブス(2019)


本作品の特徴は「色彩」と「音楽」です。特に色彩について、『Swallow/スワロウ』にも共通して感じたことですが、ピンクよりの赤と水色のコンビネーションは映像として非常に映えますね。そして、本作のテーマは愛、ひいては「努力を要する愛」だったと思いますが、個人的には「愛は技術」の前提に立ち、愛の習練を語る名著エーリッヒ・フロム『愛するということ』を思い出さずにはいられません。


【6】 エレファント(2003)


本作品は、事件の犠牲者だけでなく、加害者のストーリー・視線を混ぜることにより、多角的に事件の全容を映している点が特徴だと思います。緻密に計算されたカメラワークと編集、そしてまるで全ての経緯(いきさつ)を俯瞰していたかのようなロングショットが非常に印象的です。銃による悲しい事件が、一日でも早く無くなりますように。


【7】 バブル(2022)


不思議な少女「ウタ」の声優を務めた「りりあ。」さんの音楽を、僕は普段からよく聴いていて、本作では挿入歌のみでなく声優を務めると知り、Netflixで視聴。サントラの『色彩』いいですよね。名曲『浮気されたけどまだ好きって曲。』の儚い雰囲気とはまた異なり、透き通り美しい情景が浮かぶこの曲が好きで、何度も聴いています。あと本作を通して、バブル(泡)とパルクールが映像映えしているなと思いました。泡、雨、池、湖、海…「水」ってなんかすごく映像映えしますよね。質感かな。


最後に


今月は長澤まさみさん出演の作品が多いですね。やっぱ邦画っていいな〜、と思う1ヶ月でした。

シン・ウルトラマンでは多くの親子を見かけましたが、トップガンの上映では、1作目を1986年当時映画館で鑑賞した世代の方々が、次は夫婦で映画館に足を運んでいて、すごく胸が熱くなりました。

何が言いたいか、それは映画館は人々のコミュニケーションを生む大事な「場」だな、ということです。


*2022年5月号の記事(チェックお願いします!)



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