
記憶と記録【4人でエッセイをつくる】
わたあめを洗うアライグマって動画知ってる?なんか昔に流行ったよね。あの動画見ると、わたあめがなくなって焦ってるアライグマの可愛さと可哀想さで胸がいっぱいになって、きゅーんとしちゃうんだよな。
その動画を久しぶりに見て思い出したけど、わたしも似たような経験をしたことがあるなーって。珍しく雪が積もった日、雪だるまを作って遊んで、寒いから雪だるまをお風呂に入れてあげるんだーってお風呂に向かって。
ここまで読んで勘のいい皆さんはお気付きだと思うけど、お風呂に入った小さい頃のわたしはさながらあの動画のアライグマと同じ感じになっちゃった。それを見て親は笑ってたような呆れてたような、どうだっけな、覚えてないな。
まあそんな可愛い思い出はどうでもよくて。なんでこの話をしたんだっけ。
でもさ、思い出って不思議だよね。動画として脳裏によみがえる記憶が、自分を俯瞰して見ている景色だったり、自分の目で直接見た景色だったり。
その二種類にどう差があるのかなって考えたとき、親が残してくれた写真の有無かなって思った。のちのち写真アルバムで見たことのある思い出は前者になる。そうじゃないものは後者になる。
今の自分の容姿はともあれ、写真で見る幼少期の自分ってすごく愛おしい。撮ってくれた親の愛を感じるからかな。撮り手のまなざしってちゃんと写真に乗る。だから記録が好き。
アライグマの動画を撮った人自身も、きっと胸をいっぱいにしながらカメラを回したんだと思う。おもしろいってだけじゃなく。愛おしくて愛おしくてだれかと共有したくて、それで撮ったんじゃないかなって。それが人間ってものだよなーって。
「リレーエッセイやってみたい!」とハネが言った。「いいね!」と私をはじめ、数名のメンバーが言った。そんな感じでふわっと始まった企画が完結したので、できた文章と過程をここに記録しておこうと思います。この冒頭の文章が、最終的に出来上がった短編エッセイです。これを読んでいるみなさんも、記事を読み進めながらテーマが何かを考えてみてください。
ルールと担当者
リレー形式で短編エッセイを書き上げます。
●役割
①テーマを出す人(今回の担当者:ヒーホーくん)
・テーマを考える。(単語)
・冒頭の一文だけを考え、次の人にだけテーマと一文を伝える。
②エッセイを書く人(今回の担当者:遠山あやめ)
・テーマと一文を受け取ってエッセイの前半を書く。
・おおよそ200〜300字程度。
③エッセイを書く人(今回の担当者:夏草)
・②の人が書いたエッセイ(前半)だけを読んで、後半を書き上げる。テーマは分からないので予想して書く。
・おおよそ200〜300字程度。
④終わらせる人(今回の担当者:ハネ)
・エッセイ全てを読み、テーマがなにかを当てて、タイトルを考える。
●期限
①④は送られてきてから2週間程度、②③は送られてきてから3週間程度で完成させること。
テーマの答え合わせ
ハネが予想したテーマ
「儚い」→違いました。
「切ない」→違いました。
「かわいい」→違いました。
当てられなかったので、ヒーホーくんから答えの開示。みなさんはどんなテーマだとと思いましたか?
正解は、「雪だるま」でした。
テーマをドンピシャで当てられなかったものの、ヒーホーくんは「"雪だるま"は儚いものだよね」という思いでそのテーマにしたそうなので、実質正解みたいなものかな?とのこと。
ヒーホーくんからテーマと一文目を受け取った私の率直な感想としては、「この角度でくるのか〜!(難しいけど面白い)」でした。
その後、夏草さんが綺麗にまとめてくれて、ハネさんが良いタイトルをつけてくれて。なんとか形になったな、と思います。
みんなでひとつのものをつくりあげる企画、おもしろかった!前の担当者がつくったものを基礎にしてそこに追加していくので、テイストが引っ張られる。今回で言うと、一文目が口語的だったので、その後の文章も口語的になるように注意して書きました。そのへんも他の人となにかをつくるおもしろさかも。
最後にまとめる人のセンスも光るし、タイトルの付け方にもその人らしさが出るし……。単純に、楽しかったです。
今度は他のメンバーでやってみた場合の作品も見たいな〜。これからもこんな感じで活動の記録をゆるっと投稿していく予定です。私たちのお遊びによければお付き合いください。
文章 遠山あやめ
参加者 ハネ、ヒーホーくん、夏草