幅広い世代の方々が電子工作をする世界を目指して
電子工作をする部品が揃っています
共立電子産業株式会社は、大阪日本橋に位置する電子部品販売店です。電子工作キットの販売や、企業が製品に組み込む基盤の作成、販売を行っています。私たちの提供している電子部品は学校の授業で使われることもあり、子どもから大人まで幅広い世代の人に使っていただいています。大阪日本橋には、シリコンハウスとデジットの2店舗があり、オンラインでも電子部品を購入することができます。
Tech Seekerを始めたきっかけ
以前、お店に来てくださったお客様とハッカソンについて話をしていました。その中で、世の中のハッカソンの主流がソフトウェアになっていることを知りました。ゲームソフトなどが世間では流行し、子どもたちも大人もソフトウェアに関する興味関心が高まっていました。その時に、ハードウェアでものづくりをする文化が薄れていってしまうことに危機感を覚えました。そこで、知り合いに声をかけ2018年に開催したイベントが、Tech Seeker(テックシーカー)の前身であるデジットハッカソンです。ハードウェアのハッカソンが衰退していってしまっていた理由は「1日のハッカソンでは開発しきれない」、「電子部品を買う予算がない」というものでした。それらの理由を考慮し、ハッカソンを1ヶ月の期間で行うことにしました。チームで1ヶ月開発に取り組むことができるので、納得のいく成果物がつくれるようになりました。また、私たちは電子部品を買うことができるチケットをハッカソンの参加者に配り、電子部品を買うコストの部分のハードルを下げようとしました。このような取り組みもあり、2019年も継続して行うことができましたが、2020年からは新型コロナウイルスの感染拡大によって、ハッカソンの開催ができなくなってしまいました。
Tech Seekerとして新しい時代を築く
新型コロナウイルスの拡大も収まり、2023年にハッカソンを再開することができました。第2回目までを一緒に運営してくださった方々の身辺の変化もあり、同じメンバーでの開催は難しかったですが、大阪産業局や一般社団法人MAの協力もあり、新たにTech Seekerと名前を変え開催することができました。
今回のTech Seekerは、学生が多かったという印象を受けました。これまでは大人の方がものづくりをするイベントというイメージがありましたが、徐々に若い人たちに向けても広がっているような気がします。学生枠を増やして対応するほど多くの学生に参加していただきましたが、これは嬉しい現象でした。これからの未来をつくっていく若者が、電子工作のハッカソンを率先して引っ張っていくことが望ましいです。今回は、その側面が見えた気がします。これからも若い世代の人たちに多く参加してもらい、ハードウェアのハッカソンの新しい時代を築いていってもらいたいです。
以前、スポンサー企業の方に「昔は寺子屋というものがあり、年配の者が若者に知識や技術を教える場所があったが、今はそういうものがない。」とおっしゃっていました。私はこのハッカソンこそが、そのような場所になりうると思います。大人の方と若者が意見を交わし、知識や技術を共有しながら高め合っていく。そのようなイベントを多く開催していきたいと思っています。