小学生がスマート林業をプログラミング!
地域の産業を便利にする
2023年3月に山梨県の道志村立道志小学校にて、地域の産業である林業の仕事を便利にするためのセンサーを考え、つくるという授業を行いました。3年生から6年生までの4学年を対象にそれぞれ授業を行い、計37名の児童が受講。事前に林業に関する学習を行い、その中で考えた林業を便利にするためのセンサーをつくりました。自分でプログラミングをしてセンサーをつくる体験をしました。
スマート林業のアイデアを自分の手元で
本授業は道志村の産業である林業をテーマに、プログラミングを通じてセンサーをつくるという内容でした。林業を担う若者の減少に伴い産業が衰退しているといわれている中で、「スマート林業」という視点を持ち、テクノロジーを活用して作業を便利にする体験をしてもらうことを目的として行いました。児童は事前に林業について学習し、林業の問題点とそれを解決するためのさまざまなアイデアを出していました。活用して作業を便利にする体験をしてもらうことを目的として行いました。児童は事前に林業について学習し、林業の問題点とそれを解決するためのさまざまなアイデアを出していました。その中でスクーミーのセンサーを使って、解決策を実際につくる体験をしました。センサーを開発するという体験を伴った学びを通して、林業に関する理解を深めることができたと思います。また、友達との対話を通していろいろな意見に触れることで、多角的な視点で物事を考えることができました。
「スマート林業」や「スマート社会」と聞くと、大人たちが開発した技術を用いて世の中を便利にしているのだというイメージを抱いてしまいます。しかし今の時代は、小学生であっても世の中に役に立つものを発明をすることができます。彼らには今回の授業で学んだことを活かして、林業はもちろん社会のさまざまな課題に目を向けて積極的に解決していこうとする姿勢を持ち続けてもらいたいです。
林業を便利にするセンサー
3年生はシカやイノシシが苗木を食べてしまうという課題から、動物が近づいたら音が鳴るセンサーをつくりました。また、5年生は間伐の職業体験の経験から、間伐が必要かどうかを判断するために林床の明るさを計測するセンサーをつくりました。自分のアイデアを実際ににつくることができるという経験は貴重であり、今後も林業について興味関心を持ち続けるきっかけになったのではないかと思います。
児童の授業に取り組む姿勢について、校長先生に聞いてみました!
今回、スクーミーの教材を使って自分自身の考えたセンサーをつくるという体験を行ったのですが、児童が主体性に取り組んでいることに感銘を受けました。道志村は、林業が盛んな地域として有名な土地です。しかし近年は人口減少や高齢化に伴い、産業が衰退してしまっているという現状があります。
その中で道志小学校では林業に関する授業や間伐体験などを行ってきました。どれも児童に林業について知ってもらい興味関心を持ってもらうことをねらいとして行ってきましたが、話を聞いたり体験するだけではなかなか積極的な態度は見られませんでした。一方で自分のアイデアが手元で形になるという授業を受けていた児童は、積極的にアイデアを出し周りの友達と意見を交換しながら、プログラミングや工作を主体的に行っていました。自分の地域の産業や課題に対して自ら参画していこうとする姿を見て、児童にとっても道志村にとっても良い授業だったと思いました。
この授業での経験を活かして、自分自身で課題を見出して解決策を考え、そのアイデアを表現できる大人に育っていって欲しいと思います。
使用したスクーミーボードはオレンジボード
オレンジボードは、ネット環境がなくても使用可能な小型コンピュータです。「測る」・「感知する」・「動く」など100種類以上のコネクターを組み合わせて、簡単にオリジナルセンサーをつくることが可能です。例えば、ドアが開けっぱなしであることを教えてくれるセンサーや、ゴミの分別を手助けしてくれるセンサーなど、日常のお困りごとから社会の課題を簡単に解決する手段として、活用することができます。