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共に創るコラム:ある民間出身の外国語指導アシスタントから見た学校現場の強み~実は、学校現場で1人1人が持つ裁量の大きさは、部課長級クラス…!? vol.2

先日、「教育・学びの未来を”共に創る”教育長・校長プラットフォーム」として「共に創るコラム」を配信したところ、前向きな反応をたくさんいただきました。ありがとうございました…!
vol.2は、これまで別の分野で働いたのち、学校現場に関わっているという方から、学校現場に対して思うこと、をお寄せいただきました。

自分も作文書いてみたくなったという方はこちらから


ある民間出身の外国語指導アシスタントの作文
 

 私は、大学卒業後33年間ほど、ある民間企業のサラリーマンとして仕事をして、去年の6月から、●●市教育委員会から委託を受ける外国語指導アシスタントとして、たまたま小学校の現場に入ることになった者です。
 教育にはとても関心がありますし、先生方の働き方を間近で拝見するようになって、その異常なまでの忙しさに危機感を覚えるようになったと同時に、幸か不幸か、この1年間、様々なオンラインのセミナーや勉強会などに参加する機会を得て、多くの先生方や教育に携わる方々とコミュニケーションをすることができました。
 このプラットフォームもその1つですが、先生方のみならず、校長先生や教育長の方々など、普段なかなか接点がない管理職の方々ともご一緒できる貴重な機会を頂けたことを、本当に感謝しております。


 せっかくの機会ですので、長く民間企業で働き、ちょうど1年前から小学校の教育現場に出入りさせて頂くようになった立場から、少し思うところを述べさせて頂きます。
 先生方の異常な忙しさ(業務範疇の広さ)以外にも、民間企業との違いは多々あると感じています。
 よく、学校は閉鎖的な空間であり、先生方の多くは、いわゆる民間企業で働いた社会経験をお持ちでないので、もっと学校の外のことを知るべきだといったことが言われますが、それもあながち的外れではないかも知れませんけど、個人的には、それ以上に、保護者は勿論、社会全体が、もっともっと学校現場や教育そのものに関心を持つべきだと強く感じています。
 また、民間が学校現場を見習うべきところ、或いは、民間企業と比べた学校の強みも多いと思っています。


 私が感じている大きな違いを2つだけ挙げると、先生方の仕事に対するエンゲージメントと学校・先生の裁量・自治権の大きさです。
 民間の特に大企業の社員の大多数が、本当にその会社の発展や利益を第一に考えて仕事をしているかと言うと、ケースバイケース?と言わざるを得ないと感じますが、恐らく先生方のほとんどは、個々のアプローチや教育観などに違いはあるかも知れませんが、''子供達のため''という思いで仕事をされていると実感しており、これはとても素晴らしいことだと思っています。
 もう1つは、先生方を始め現場に近い立場で教育に携わる皆様は、例えば、文科省からのトップダウンでの通達などに不満を抱かれることもあるかも知れませんが、学校における校長先生、当該自治体における教育長さんの裁量(主に、予算以外の運用・運営の部分)は、私の勝手なイメージで言えば、大手製造業に例えると事業部長さんクラスではないかと感じています。
 因みに、小学校であれば、担任の先生方は、さしずめ課長さんクラス(或いはそれ以上?)でしょうか。
(去年・今年と、都合20名強の担任の先生と team-teaching で授業に関わらせて頂いていますが、それぞれの先生の個性を強く感じます。)
 とは言え、特に、先生方の''抜本的な''働き方改革のような大事業は、国の予算の問題なども絡むでしょうから、世論の強い後押しが無いと、なかなか実現しないのではないかと危惧しています。
 随分話が拡散し長くなってしまいました...。
 

 甚だ僭越ながら、このプラットフォームにおかれても、教育の専門家ではない(が、教育に関心を持つ一般の)人達をドンドン巻き込んで、教育現場の頑張りや課題を認識してもらい、国の宝である子供達の教育(また、その土台となる先生方の働き方含めて)について一緒に真剣に考え議論する''サポーター''を増やすべきではないかと考えます。


(事務局)
いろいろな視点を持つ方にこのプラットフォームにご参画いただいていること、とても嬉しく思います。作文をお寄せいただき、ありがとうございました…!
学校現場は、「子供たちのため」という想いが共有されていること、そして、大きな「裁量」があることが、「民間企業と比べた学校の強み」と表現いただきました。
先生方や学校現場が力を発揮できることを超えて、「教育の専門家ではないが、教育に関心を持つ一般の人たちをどんどん巻き込む」ことで、多様な視点を持つひとが様々な関わりをすること、ひいては子どもの豊かな学びにつながること、そうした学校の在り方について、ぜひ、このプラットフォームの場でも、多くの皆様と対話を重ねていきたい、と思いました。
今後もぜひ、こうした視点を、本プラットフォームにお寄せいただけたら、ありがたいです。


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