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#旅

Rolleiflex、故郷に帰る

ドイツという国に関しては疎くても、Rolleiの二眼レフを持っている方ならブラウンシュヴァイク(Braunschweig)という地名には聞き覚えがあるのではないでしょうか。1927年、この地でRolleiflexのプロトタイプが完成しました。私の手元にあるRolleiflex Original(1929年)の前面プレートには、Franke & Heidecke Braunschweigと誇らしげに刻まれています。 ある時、Rolleiの二眼レフの歴史について書かれた本を読み

Xenotar、Kreuznachへ行く

新たにLeicaを買うたびにその都度それをWetzlarへ持って行き、Rolleiflex Standardのレンズ・TessarをJenaに里帰りさせ、Rolleiflex 2.8F PlanarをBraunschweigのかつてのFranke & Heidecke社屋の前に立たせたように、Rolleiflex 2.8F XenotarをKreuznachに連れて行ったことがあります。今日はその件について書こうと思います。 クロイツナッハKreuznach、正しくはBad

プラハでFlexaretを買う

1. プラハ今年(2019年)2月、週末を利用してプラハに行くことになりました。 東京にいた頃は、仕事の合間を縫い、年に2回、3回と、たとえ数日間の短い休暇でも長時間飛行の労を惜しまず頻繁に訪れていたプラハ。それほど熱を上げていたプラハですが、ドイツに移住して以来、とんとご無沙汰していました。今回のプラハは、なんと、10年ぶり。ドイツに移住して以来、時間に余裕を持って旅行することができるようになったので、例えばピレネー山中の町とか、グレートブリテン島の最北端とか、たっぷり時間

プラハで再びFlexaretを買う

1. Flexaret VI型を手放して後悔する 11月の終わり。実に4年ぶりにプラハへ行ってきました。今回は、そこでチェコスロバキア製のカメラ、Flexaretを買ったことについて書こうと思います。実はこのカメラ、4年前にも一度購入しているのですが、結局使いこなせなくて一度手放しています(その辺りの詳しい経緯については、以下の投稿をご覧ください)。 この投稿にも書きましたが、手放した後にFlexaretで撮った写真を改めて見たらて、けっこう良い写真が沢山あることに気付き

Josef Sudekのアトリエ

写真に興味を持っている方なら、一度はその名前を聞いたことがあるに違いないチェコの写真家がいます。その名はJosef Sudek。 彼がかつて住んでいた住居と、アトリエとして使われていた小屋は修復され、現在、それぞれ小さな写真美術館として公開されています。今回の旅ではそこへ行ってきました。住居(現・ギャラリー)へ行った時は開放値4.5という暗いレンズが搭載されたFlexaretを持っていたため、暗い屋内の写真を撮ることはできませんでしたが、窓が大きなアトリエはLeica M2