読書感想文【サリエーリ モーツァルトに消された宮廷楽長】
'23.03.26読了
著者: 水谷 彰良
出版:音楽之友社
紹介ページ(丸善ジュンク堂):https://honto.jp/netstore/pd-book_02419635.html
――紹介――
【マルコ・ポーロ賞(第27回)】孤児から宮廷楽長にのぼりつめ、ベートーヴェン、シューベルトなどを育てたヴィーン随一の作曲家・アントーニオ・サリエーリ。彼はほんとうにモーツァルトの天才に嫉妬し、毒殺したのか。知られざる作曲家の真実の姿を描く。【「TRC MARC」の商品解説】
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久々に図書館で本を借りました。
友人に読んで欲しいといわれ3年位放置していたような気がします。
ヴィーンの宮廷音楽家であり、ベートーヴェンやシューベルトが師事した人物に関する研究を一般向けにまとめたものです。
やっているスマホゲームにサリエーリが登場しているのですが、それまで全く名前も知りませんでした(そもそも音楽関係に興味がなさ過ぎて)。
ゲームで見知って、今回本を読んだ流れになっています。
妻子の死や発表したオペラが酷評されるなどの問題はありますが、全般的に人と縁に恵まれた人だったのだなぁという印象です。
本人の才覚と腕前があったのは確実ですが。
ただ1点、本人の預かり知らぬゴシックネタと後世の創作によって「影」なる人に仕立て上げられたのが良くなかったのでしょう。
憶測と噂が「真実」をでっち上げ、創作を創作と思えない人がその「真実」を妄信した結果と言った気がします。
一歩離れて俯瞰すること、多くの人が信じることを批判的に検討することが本当に大切なのだと思いなおせる内容でした。
少し、サリエーリの楽曲を聞いてみたいなと思います。