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【週末カンパーニュ大作戦③】何パンがすき?

表紙写真は、大作戦②でもお話ししたパン教室で作ったほうじ茶クランブル

カンパーニュサンドに憧れる料理好きが週末の朝にカンパーニュサンドにありつくまでの記録。

これで最後のきっかけ編

 「どんなパンが好き?」という質問は、趣味嗜好を尋ねる質問として、「何色が好き?」とか「好きな動物は?」と肩を並べるくらいの存在感を示してもいいのではないか。
 外カリッ、中ふわっの塩気の効いたベーコンエピが好きとか、もっちりした生地の底からじゅんわりバターが滲み出る塩パンが好きとか、うっすいパン生地にずっしりとしたカスタードを巻き込んだクリームパンが好きとか。その人の好みを知る素敵な質問だと思う。

 旦那さんと出会うまでのわたしは、まさにさっき書いたような今にも生地が破れそうなくらいカスタードを包み込んだクリームパンが大好きだった。調理パンジャンルでは、カマンベールチーズ入りの焼きカレーパン。あと、高校生の頃は、カリカリクッキー生地に、ふんわりバターが香るメロンパン。どこのパン屋かは覚えていないが、メロンパンのクッキー生地に胡桃が練り込まれていて、パン生地にはメープルシュガーが入っているというゴージャスな胡桃メープルメロンパンを気に入っていた記憶もある。(地元の駅近ホテルに入っている店舗だったような…)

 何が言いたいのかというと、以前までのわたしは、たっぷりのフィリングが包まれているパンや、何かとトッピングがされているパンを好んでいた。最近、そうゆうパンが嫌いになったわけではない。しかし、旦那さんと出会ってからのわたしは、どんどんハードパンの魅力に引き込まれていったのだった。

いわゆる菓子パン系→ハードパンへの変遷の間に、世間の食パンブームも一枚噛んでくるのだが今回は割愛させていただく。

 そもそも旦那さんは何においてもシンプルを好む人だった。服装は、デニムに白Tシャツ、ハンバーグ、グラタン、ビーフシチューより、豚の野菜巻きポン酢がけ、などなど。そんな旦那さんが味も副材料もシンプルなハードパンを好むのは必然ではないだろうか。何ものっていないソフトフランス、ベーコンとマスタードの素朴なベーコンエピ、バタール。
好みだろうが、好みじゃなかろうが、パン屋好き、パン好きとして、味の違うパンが手元にあるのに食べないと言う選択肢はない。「ひと口ちょうだい」を重ねるうちに、なんだか物足りな苦思っていたわたしも、徐々にその味わいの深さ、クラストとクラムの食感の違いをおもしろいと感じるようになっていた。気づけば、パン屋で3つに一つはハード系を選んでいて、お昼用に買うときは全部がハード系の時もあった。

 こういう事情でわたしはハードパンにたどり着いたわけだが、実はカンパーニュを買ったことは片手で数えるほどしかない。味の描写もできないぐらいに経験に乏しい。ただわかるのは、本物のカンパーニュは穀物や果物の発酵種を使い、見た目はシンプルながらも、噛めば噛むほど独特の風味と深い味わいを与えてくれるだろうということ。最近は、パン屋でもパン酵母が使われ、よりマイルドなカンパーニュが増えてきているという。いずれにしても、カンパーニュを焼く人々のインスタを見ると、気泡の具合やら、クープの開きやら、奥深い世界であることに間違いはない。

シンプルであるために、探究すべき部分が大きい。フィリングや、トッピングでは誤魔化せない、作り手の生地の扱いがそのままパンの味に直結する。こんなおもしろいパンを、自分の理想を見つけて作ってみたいと思わずにはいられない。
とはいえ、パンづくりど素人。ついに明日、まずはパン教室にて初のカンパーニュ作りに挑みます。また次回の記事でお会いしましょう。



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