
小4の知性と野性に、メロメロな話
ここ最近、キッズシナリオで出前授業に行くたびに、小4のおもしろさに身悶えしております。
小4のバランスが、創作をするのに絶妙なのかもしれない、と思っております。
キッズシナリオとは、『日本中の人にシナリオを書いてもらいたい』と思っているシナリオ・センターが2010年から始めた学校などへの出前授業です。
キッズたちに、シナリオの技術を伝えて、楽しくシナリオを書いてもらっています。
小学4年生ならではのおもしろさ、とはね……
小5と小4の違い
これまでのキッズシナリオの対象は、小学5年生が主でした。
なので、小学4年生にキッズシナリオをやるまでは、1学年の違いは、そんなに極端にないのかな、と思っていました。
でも、ぜんぜん、違う。
小5は、アイデア出しとかの時は、いやってほど盛り上がります。手も、バンバン上がります。発言のたびに、ゲラゲラ笑いも起きます。これは、小4でも一緒です。
でも、いざ「書いたシナリオを発表してみて」というと、小5は一気にシーンっとなります。
あれ?と思って、アイデア出しの時に、めっちゃ手を上げていた子に、
「じゃあ、誰も手をあげないから、ちょっと発表してよ」
というと、
「いや、それはちょっと恥ずかしいです」
とか、言い出すんです。
「めっちゃ、さっき発言してたじゃん。一緒じゃん」
と。すると、
「さすがに、書いたやつの発表はちょっと」
どういうこと?小5男子、どういうこと?
おじさんには、アイデアを発表することと、書いたシナリオを発表することの違いが、イマイチわからんぞ!と思ってしまいます。
他の子も、そんな感じ。
あの、アイデア出しの時の怒涛のような「はい!」「はい!」「はい!」は、どこ言ったの!?って感じになります。
一方で、小4。
「はい、はい!」と手が上がります。発表したくて、うずうずしている感じです。元気な子はもちろん、控えめな感じの子も手をあげて、自分の書いたシナリオを発表します。
そう、小4には、テレがない。
小5になると、妙な自意識が生まれるのか、周りのリアクションを気にするようになるみたいです。
小4までは、失敗をあまり気にしない?
小5で実施するキッズシナリオと、小4で実施するキッズシナリオを比べると、小4はあまり失敗を気にしないのかもしれない、と思いました。
というか、あまり『失敗の概念』がないのかもしれません。
小5くらいになると、周りのリアクションを敏感にうかがっている感じがします。
自分がどうだったか、というのはもはや定かではないですが、なんとなく、小5くらいから、失敗や恥ずかしいに敏感になっていた気もします。
言うなれば、「スベりたくない」みたいな意識が、小5の心のなかにあるような感じがします。
小4は、知識も理解力もあって、そのうえで、野性の部分がイキイキしている、そんな感じがするのです。
知性と野性がいい具合、それが小4ではないでしょうか。
小4バランスを、ぼくらは保つことはできないのだろうか
仮に小4が、創作をするのに絶妙なバランスだとして、ぼくらはそれを取り戻すことはできないのだろうか。
もしくは、現役小学4年生、5年生に、それを保つ方法を伝えられないのだろうか。
最近は、そんなことばかり考えています。
この問いを裏返すと、
『表現する楽しさよりも、恥ずかしさが上回るのは、何がきっかけか』
になります。
いや、もっというと、
『自分らしさよりも、人の目を気にするのは、なぜか』
日本人の同調性の悪い面が生まれるきっかけが、実は小4と小5のあたりにあるような気がします。もしかすると、ここらへんを解きほぐしたくて、キッズシナリオを試行錯誤しながら実践しているのかもしれないな、とも、文章を書きながら思った次第です。
発達心理学とか、教育学あたりに、何かヒントがあったら知りたい(詳しい人いたら、参考文献とか、コメント欄にもらえたら嬉しい)。そんなシナリオ・センターのあらいでした。
▼キッズシナリオの様子▼
なんと、小4バージョン、まだブログになってなかった……
▼キッズシナリオのサイト▼
▼キッズ向けオンライン講座▼
いいなと思ったら応援しよう!
