なんてこった数年ぶりにSF映画で泣きそうになってしまいました...『最後にして最初の人類』という映画のこと
皆さん、こんにちは。SF好きなヤシロです。
本日は2024年10年15日。ちょうど先週に、世間を騒がせた映画『ジョーカー』の続編が公開され、ネットは賛否両論で大荒れです。
まあ、何を隠そう、私もこの週末は、まさにジョーカー2についてのレビューをnoteに乗せて、このムーブメントに乗っていました。確かに、前作に引き続き、論争になる点が多々ある問題作でしたからね。
ところが、その口直しに何か別の映画を見ようと思っているさなか、「そうだ!私、ヤシロの本領は、SF映画のレビューだった!流行のアメコミ映画に気を取られすぎた!ひさびさに、硬派なSF映画をみよう!」と思って、
、、、お堅い映画ファンからは「これは厳密にはアート映画であってSF映画とは違えよ!」と怒られるかもしれませんがw、
前から見ようと思いつつ積読してた『最後にして最初の人類』を見たのです。
これは凄い・・・
凄すぎる映画だ・・・
ええと・・・
ありゃ、何も言うことができないなw
そこで無理に気持ちを語るのを諦めて、
どんな映画なのか、概要説明のほうをさせていただきますと、
まぁ、アート系映画、というのが、わかりやすいとは思います。
SF文学の古典『最後にして最初の人類』の世界観をもとに、
未来人(と思われるモノ)の声が、私たち、現代人に、未来からのメッセージを語りかけてくる、そのナレーションの声が、さまざまな風景映像+重厚な音楽を背景にずっと聴こえ続けるという神秘的な感覚の映画なのですが、
クリエイターが早世した天才音楽家のヨハン・ヨハンソン氏(映画ファンにとっては映画音楽作曲家としての顔で有名かと)というだけあって、音楽が素晴らしいのは想像がつくのですが、
それ以上に、凄かったのが、映像なのですよ。というのはですね、ユーゴスラビア各地の戦争慰霊モニュメントをひたすら映し続けていくという映像なのですが・・・
ユーゴスラビアの戦争慰霊碑ってのが、こんなにも壮大で美しくて荘厳なアート作品だらけだったなんて・・・お恥ずかしいことに、私はこの映画のおかげで初めて知った。
▼参考URL▼
Yugoslav World War II monuments and memorials - Wikipedia
※ちなみにヘッダ画像に使った画像も、ユーゴスラビアの戦争慰霊碑の代表作の一つ。画像はパブリックドメインとなっていたこちら↓からいただきました。
それにしても、、、ユーゴスラビアですよ!
第二次世界大戦でも、そして、20世紀末の内戦でも、この世の地獄と化した、かのユーゴスラビアです・・・そこの戦争慰霊碑ってのは重みがガツンと凄まじく。それらを美しいショットで映し出す映像が続く中で、「20億年後の未来人」が、「人類は歴史を変えることができるはず、だからこのメッセージを過去の時代に送ります」と、現代人に向けて切々と語りかけてくる、そんな映画を見ていて、
なんですかね、、、数年ぶりに、映画を観ていて、泣きそうになりましたw
何をおいても、言葉で説明不可能な映画なので、興味のある人はぜひ見てほしい(ただし、なにかの作業「しながら」ではなく、できるだけしっかりと時間をとって、夜に、なるべく大きな画面で部屋を暗くして、浸りながら見てほしい!)
それにしても・・・
自嘲を込めて、言いますが・・・先週末に『ジョーカー2』を見てその問題点にぷんぷんして、その週明けには『最後にして最初の人類』という神秘系の超絶アート作品を見て泣きそうになっている私の振れ幅にも自分で呆れますが、、、
現代社会の分断をたきつける問題的なアメコミ映画もあれば、
このような凄まじい表現力の、「人類への愛と希望に満ちた」映画もあり、
映画ってすごいな、ほんとに。
私もますますこれからも、クソ映画から、美しいアート映画まで、できるだけ「振れ幅ひろく、いろーんなジャンルの映画を観る人」であり続けたいと、あらためて思ったのでした。
・・・でもまぁ、『ジョーカー』みたいな小さい話より、「20億年」くらいのスパンで人類の希望を語ることができてしまうSF映画界隈のほうが、やっぱり、私は、トータルでは、スキだなぁ。。。!「『ジョーカー』はアメコミ映画として是か非か!」なんて論じてたわずか三日前の自分がえらくちっぽけに思えてきたw