期待と信頼にしっかりと応えていく強さ。
前回の記事からかれこれ3ヶ月。いったい私はなにをしていたのか、ということについて振り返ってみたいと思う。緊急事態宣言が明け、少しの規制緩和と共に私の体も外へ解放されるかと思いきや、意外とそんなことはなかった。
これまで遊んできたゲームについて振り返ってみたいと思う。
1. テイルズオブアライズ
私は第1作目のファンタジアからプレイしてきたこともあって、テイルズシリーズはハードの進化と同時に作品の変遷も味わってきたような感覚がある。そういう意味ではアライズは新生とも言える進化を遂げたけれど、テイルズらしさはしっかり感じられた。キャラクター同士の関わりや会話に一切妥協せず、徹底的にとも言えるほどのボリュームで収録されている。戦闘中にさりげなく交わされる会話も見逃せない要素の一つ。キャラクターの個性を突くようないわゆるツッコミ(いじり?)のような言葉も、激しい戦闘の最中でも聞こえてくる。フィールドを歩いていればシリーズ恒例のスキットが表示されるが、視聴するかしないかはプレイヤーの判断に委ねられている。後でキャンプした時にまとめて聞くことも可能だが、場面や情景に応じた会話であるため、表示された都度確認するのが良いだろう。大作RPGなのでこれ以上書き出すとキリがないので、私が最も感じたことを一言で纏めると「作品への没入感により孤独が解消されるゲーム」だろうか。
2.月姫 -A piece of blue glass moon-
本当に発売されるのか、という代名詞にもなった伝奇ビジュアルノベルゲーム。私の世代からすると、まさに同人ゲーム界隈におけるサクセスストーリーのような作品、の待望のリメイク。当時この月姫が発売されてから「ゲーム業界にいなくても素晴らしい作品は多くの人の目に留まるんだ」という希望を持たせてくれたが、その後、同人発でメジャーシーンに躍り出た作品というのは意外と少ない。まさに選ばれし作品であったことがが伺える。プレイ動画やSNS発信が当たり前となった昨今、ノベルゲームが世界中に共有されてしまえば「わざわざ買う必要はないよね」と考える人は少なくない。故に2週間のネタバレ規制と、コンソールからゲーム内コンテンツ内容の共有がシステム的に不可となっていた。内容については、キャラクタービジュアルの刷新、新規キャラクターの追加に伴うテキストの追加、TYPE-MOONのお家芸とも言えるビジュアル(エフェクト)表現、シナリオのスケールアップと、ファンなら満場一致で納得できるものになっていたのではないだろうか。アルクェイド、シエルルートしか収録されていない、いわば第一部のような形になっているので、続編が発売されるまで座して待ちたい。
3.モナーク/Monark
「エゴに従え。狂気を統べろ」このキャッチコピーがまさにこのゲームの全てを物語っている。他人の顔色ばかり気にせず、もっと自分のエゴに正直になれたら生きやすいだろなという話は置いておいて......個人的にはこのゲーム、大変アタリだった。ゲーム内のビジュアル面が古めかしい(昨今の作品と比較して)と感じたのはゲーム開始1時間くらいで、それ以降はもう目が慣れてしまい全く気にならない。そんなことよりも、その後にこのゲームの良さがどんどん際立ってきて、世界観に、音楽に(←特にここがかなり重要)どんどん引き込まれていく。このゲームを販売しているフリューは、過去カリギュラなど極めて尖ったRPGを出しており、ボカロPやインターネット発のアーティストとのコラボレーションを積極的に行なっている。ゲーム内容も色んなことを実験的に試していることも感じられて、AAA級の大作RPGとの差別化が図れている。もはやシリーズモノや約束された神ゲーくらいしか生き残れないと揶揄される昨今において、このような新規IPを生み出していくことを諦めない姿勢に、とても好感が持てるし、応援したくなる。ちなみにモナークをクリアした後も、神椿studioが手がけたボス戦に流れていた楽曲たちは今でも聴き続けている。
4.スーパーロボット大戦30
記念すべき30周年作品。その名に相応しい進化を遂げていたし、「そうそう、これなんだよなぁ!」と思えるスーパーロボットたちの饗宴っぷりは健在。シリーズ初期からゲーム体験と共に歩んできた私からすると、もうマジンガーZとガンダムとゲッターロボが一緒に戦っているだけで泣きそうになる。最近のスパロボは、アムロはνガンダムに搭乗していたことが多かったと思うが、あえてファーストガンダム(RX-78)に搭乗して登場したところに、30周年というお祭感を味わうことができた。今回初めてプレミアムサウンド・データエディションを購入したのだが、ゲーム内で戦闘する機体に応じた作品の楽曲が流れる(アニメのOPなど)ようになり、これが本当にヤバい。スパロボの没入感と熱狂を200%くらいに引き上げてくれると思う。特に真ゲッタードラゴンで戦った時に流れる「HEATS」は、何度聞いても心が躍った。ゲームが後半に差し掛かると、合わせて戦闘BGMもアニメの後半OPに切り替わるという憎い演出もあって感動しかしなかった。今作の初登場作品のうち、「ナイツ&マジック」と「銀河機攻隊 マジェスティックプリンス」は観たことがなかったので、いずれ触れてみたいと思う。
という具合に、今年はオンラインゲーム以外に最も時間を使ってゲームを遊んだ年になりそうだ。12/3からFF14暁月のフィナーレのアーリーアクセスが始まるので、そこからしばらくはFF14漬けの日々になると思うが、それまでに日本初のIP作品にしっかりと触れられたのはとても良い体験になったと感じている。
本当に、ここが日本ゲームの強さで、海外はどんなに素晴らしいプラットフォームを用意し、仕組みを生み出したとしても、肝心のゲームの中身であるIPを所持していない。これまで長い時間をかけて、安心と信頼を積み重ねてきた多くのIPを有する国内ゲームが、どんどん世界へ羽ばたいていき、認知され、次の新しい作品を生み出すために必要な資源を得られることを切に願う。