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———これは5人の男との出会いを通じて生き方を学んだ女の物語である。 私は普段、鏡を見ない。自己というものを自覚したことがない。いつも他人の顔色を伺って生きてきたように思う。とにかく仲間外れにだけはならないよう、自分を殺し、他人に好かれるようにして生きてきた。 心と身体の成長と合わせて、関係を持つ男性も何人か出来たが、そのうちとても印象深い5人の男との出会いに纏わる話をしたいと思う。 言い忘れていたが、私には他の人にはない少し変わった特技というか特性がある。それは、
独りの朝を想え。 目覚めれば見慣れた天井。憂鬱な1日の始まり。この後にやらなければいけないことを考えるだけで、まるで金縛りに遭ったかのように、この体は全く動こうとはしてくれない。寝る起きるを繰り返し、何度目かの目覚めでようやく重い体を起こす。冷たい水で顔を洗い、無理やりにでも自分自身を奮い立たせる。 朝食など取る気力もない。テレビをつけることもない。どうせ陰鬱な気持ちになるだけだ。必要な情報を必要な時に見る。見たくないものはシャットアウトし、見たいものだけをインプットする。