トリッパのコーングリッツ揚げ(ビールにこの上なくぴったりなもの!)
寒くなってくると、臓物、ホルモン系が食べたくなる。というよりも、今年の夏はとくに暑かったから、なんとなくそれらから足が遠のいていた。これからの季節、夏の分を取り返す(?)べくいろんな臓物が食べたい。ギアラを少しだけ加えた辛い鍋なんて最高。一気に旨みとコクが出るんですよね。
さて、最近はスーパーでもホルモンの扱いが増えてきてはいるけれど、もし家の近くにあれば、骨付き肉やいろんな部位を扱っている店もひとつは押さえておきたい。苦手でなければ、臓物料理はとても楽しい。
私が東京でよく行くお肉屋さんは、麻布十番の日進ワールドデリカテッセン(ホルモンというよりお肉の種類とラム肉が安くて良い)、同じく麻布十番のナニワヤ(支払いは現金のみなので注意)、上野の上野肉店、武蔵小山のみやこや、鶏なら五反田の信濃屋だろうか。
今日はトリッパを使ったビールにもぴったりなおつまみを作りたいと思う。
トリッパというのはイタリア語で、牛の胃袋、ハチノスの事である。(お肉屋さんでは「ハチノス」で探してください。)
日本でも、トマトを主に野菜とじっくり煮たフィレンツェの郷土料理、Trippa Alla Fiorentina(トリッパ・アッラ・フィオレンティーナ)が有名だと思う。
私が二十歳になりかけの頃、初めてのイタリア旅行でフィレンツェに出かけ、憧れの地に降り立ったはずなのに、初日は飛行機トラブルでご飯にありつけず、次の日も土砂降りの不安な中、本当に暗闇にポツンと灯りが点いたように見えた、一軒のトラットリアで頼んだ料理がこれだった。びっくりするほど柔らかくて、なにより暖かくて、やさしくて。ひとくちで心の底からホッとして、涙が出そうに美味しかったのを覚えている。なのであの時の個人的愛着でハチノスを「トリッパ」と呼称したいわけです。きっと誰にでもあると思う、そういう思い出深い料理のひとつは。
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Scalesのものがたり料理教室
料理研究家のスケイル(Scales)の料理を、詳しくレシピ解説付きでたっぷり紹介いたします。季節の旬を存分に感じられる身近でありながらちょ…
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