Scales-スケイル(料理研究家)

神奈川県生まれ 料理研究家/著書「ハーブのひと皿」「果物のひと皿」「チーズのひと皿」立東舎より好評発売中! ※プラットフォーム関連の事はnote事務局にお問い合わせ願います

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マガジン

  • Scalesのものがたり料理教室

    料理研究家のスケイル(Scales)の料理を、詳しくレシピ解説付きでたっぷり紹介いたします。季節の旬を存分に感じられる身近でありながらちょっと特別な料理、またお酒のこと、テーブル周りのスタイリング、あれこれ料理の秘密を、ものがたりのように余すところなくお伝えします。 Scales:料理研究家 著書「果物のひと皿」「チーズのひと皿」

最近の記事

柿のキンモクセイ漬け(秋の香りを閉じこめたひと皿)

朝、窓を開けると昨日まではしなかった芳しい香りが新鮮な空気とともに部屋を満たす、庭の金木犀が咲いていた。季節の訪れを告げる花々はいつも突然に開花する気がする。 これまでは「ああ、秋だなぁ」なんてしばし酔いしれていたけれども、どんなにおかしな気候であっても季節はちゃんと巡ろうとしている事に少しだけ安堵する。 数日待って満開になったら竹ざるを持ち出し金木犀の花をそおっと摘んでいく。流水でさっと埃を洗い流し、キッチンペーパーの上で広げて十分に乾燥させたらすぐに乾燥剤と一緒に瓶に秋

    • うちのカレー🍛 / どの家にもあるそれぞれの「家カレー」レシピと、酷暑にまつわるエトセトラ

      カレーに関する事ではありますが、最初にひとつ言っていいですか。 やっと、、やっと涼しくなってきた。夏、長かった、暑かった。みんな頑張った。。クーラー強めにしたって猛暑の日はキッチンに立つのが辛い、もちろん換気扇では追いつかない。今年のような夏、ほんとうにうちにあってよかったものがひとつあった。ずばり保温調理器、これには結構助けられた。 鍋を火にかけただけで室内温度、湯気で湿度ともに一気に上昇、料理がしんどい日も多々ある、しかしこれは最初だけ火にかけ沸騰したらあとは保温

      • 桃の白味噌和え(ここらで桃を和食仕立てでいただきましょう)

        9月も半ばというのに、まだまだ夏日が続いている。ここ数年だんだんと夏が長くなって来ているのに沿って果物の旬も長くなっている。良い事なのかそうでないのかはまた別の話になるので今日は置いておいて、このあたりであたらしい桃の食べ方で食卓にメリハリつけてみませんか。もちろんつまみでもOKですよ。 仕事柄、人様よりも旬の時期には桃をたくさんいただく私ですが、素晴らしき日本の美味しい桃は、半分はそのまま、半分は料理していただいている。やおおあり桃はとても料理向きの果実だと思う。そう、白

        • 20数年のレシピ、黒いチーズケーキ (しっかりしたバルサミコのコクと酸味のチーズケーキ)

          かれこれ20年以上作っているレシピがある。 簡単だけど、何度も試行錯誤してきたチーズケーキだ。 「酸っぱくてしっかりコクのあるチーズケーキが食べたい」そう色々試してバルサミコが一番おいしくて、やみつきになる酸っぱさをいろいろと微調整して今に至っている。そう、くせになる味なのだ。 たまに食べたくなるから、レシピは極力簡単にしている。思い立った時にシンプルな材料があれば良いだけ。だって、作りたいと言うより、ただ食べたいだけなのだもの(作る<食べる)、こういうものはたいした労力は

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        • Scalesのものがたり料理教室
          初月無料 ¥666 / 月

        記事

          【Scalesの台湾日記🇹🇼】ホテルでゆっくり楽しむ台湾編 :常宿にしたいホテル、航空チケットについて

          コロナ自粛という言葉もすでに遠くなりつつあるが、数年の行動制限の反動たるものはすごい。コロナ明け台湾に立て続けに行ってきたわけですが頭の中では7回分が一緒になって1度に3ヶ月くらい滞在していた感覚(伝わる?)。 さて、昨今の日本もですが、さらに夏の昼の台湾は出歩くには暑すぎる。 早朝の涼しいうちに朝ごはんや朝市に出かけ、日が沈んでからの買い物や夜市巡りを楽しむスタイルが良い。カンカン照りの昼間は現地の果物やおやつを楽しみながらホテルでゆっくり、、という日を挟みつつ無理せず体

          【Scalesの台湾日記🇹🇼】ホテルでゆっくり楽しむ台湾編 :常宿にしたいホテル、航空チケットについて

          Scalesの大腸麵線(とろとろ台湾白モツそうめんをおうちで!)

          大腸麵線、むりやり日本語解釈すると白モツそうめんかな? ずっと円安が続いていて、ましてやヨーロッパ旅行だなんて今は無理!と思ってしまうけど、台湾は比較的行きやすい。けれども何事もずっと同じではいられない。だからいつかヨーロッパもニューヨークも気軽に行けるようになるさ。なので私は今は国内と台湾を楽しんでいる。 台湾に行くたびに必ずいただく料理のひとつがこれ。細くて長い麵線は日本の”そうめん”のような感じですが似て非なり。すごく細くて柔かいけれど、柔らかくトロッとしている中に

          Scalesの大腸麵線(とろとろ台湾白モツそうめんをおうちで!)

          とうもろこしとココナッツの素麺(これからの季節にぴったりのあたらしいそうめんの食べ方)

          一年で一番食材の楽しい季節が初夏のように思う。豊富な食材はきっとこれから来る暑い夏に備え身体を備えるよう自然の摂理が恵んでくれたもののように感じる。例えば春の山菜は冬中に溜まった体の毒素を排出する役割があるように。 私は蒸し暑い時に作るココナッツミルクをベースにしたものをいただくのがとても好き、今年も大好きなトウモロコシが出てきている、トウモロコシの自然な甘さとココナッツミルクのこっくり感でいただけるそうめんのご紹介を。 ちなみに「食べたいもの」は、今の自分の脳と体が欲し

          とうもろこしとココナッツの素麺(これからの季節にぴったりのあたらしいそうめんの食べ方)

          パクチーの実を使って、これからの季節にぴったりなひと皿 【其の二】メロンとパクチーの実とミントのサラダ🌿もちろんパクチーの葉でも代用可能

          其の一のレシピにも書いたようにフレッシュなパクチーの実はとても美味しい。生産者さんによると白ワインのお供としてもよく合うそうで、本当にその通りに思う。ひたひたのオリーブオイルに漬けて生ハムなんかと一緒にバゲットなんかに乗せて、白ワインのお供にするのも良い。 いざふいに出会ったときにどう使えばわからない野菜も、ちょっと挑戦してみると新しいおいしさに出会える。もしも出会えた日のために思い出してほしい、もちろんすぐに手に入るパクチーの葉でも代用可能。

          パクチーの実を使って、これからの季節にぴったりなひと皿 【其の二】メロンとパクチーの実とミントのサラダ🌿もちろんパクチーの葉でも代用可能

          パクチーの実を使って、これからの季節にぴったりなひと皿 【其の一】パクチーの実のパスタ🌿もちろんパクチーの葉でも代用可能

          パクチーの実 パクチーをベランダや家庭菜園で育てている場合、市販のパクチーにはない楽しみがもれなく付いてきます。そうパクチーの実はうれしい副産物。カレーに欠かせない ”コリアンダーシード” として、もっと成長し乾燥したものもスパイスコーナーに売ってますが、生のそれとはちょっと違う。最近ではファーマーズマーケットなどでもフレッシュなパクチーの実は売っていたりします。これが爆弾のようで口の中で弾けるたびにあの風味が広がっておいしいと、パクチー好きにはたまらなく。料理にも色々使

          パクチーの実を使って、これからの季節にぴったりなひと皿 【其の一】パクチーの実のパスタ🌿もちろんパクチーの葉でも代用可能

          ホタルイカと揚げ塩豆腐のセビーチェ(旬のホタルイカを、お豆腐とおいしくいただきましょう)

          ただいまホタルイカが豊漁らしい。たしかにいつもは見かけない大量のパックで売っている。わたしはホタルイカが大好きで、これを「ぷりん」とした状態に上手にボイルして売っている魚屋は良い店だと思っている。 ホタルイカは食べる前にちょっとした「手間」を加えるだけで、もっとずっと美味しくいただける。それは「目と軟骨」を取り除くこと。目玉はわかりやすく簡単に取れるけれど、小さなホタルイカにもちゃんと軟骨がついている、これが地味に口の中に残る。場所は胴のエンペラのついている側にうっすら縦筋が

          ホタルイカと揚げ塩豆腐のセビーチェ(旬のホタルイカを、お豆腐とおいしくいただきましょう)

          沙茶醬と油蔥酥のラグーパスタ(台湾スパイスがふわっと香るトマトラグー🍅)

          沙茶醬と油蔥酥、どちらも台湾料理に欠かせない調味料でもちろん日本でも売ってるけれど、わたしは好きなブランドのものがあるので、これらも台湾に行ったら必ず買ってくるもののひとつ。 とくに沙茶醬はすぐになくなるので、2個は買ってくる。小松菜なんかをこれで炒めるだけでも美味しいし、日本のうどんを炒めて焼きうどんもおすすめ。今度レシピ上げますね。

          沙茶醬と油蔥酥のラグーパスタ(台湾スパイスがふわっと香るトマトラグー🍅)

          金柑のあまい粕漬け(金柑を余すことなく味わいたいレシピ2)もうすぐやってくる金柑ロスに備えて🍊

          先ほども語ったように金柑が大好きで、金柑ロスを意識するこの時期になるとしばしの別れを惜しむように金柑ばかり食べるようになる。でも、金柑はビタミンやミネラルなど栄養価も高いので食べておいて良いのだ。 先ほどのオランジェットとともに、金柑おすすめレシピに粕漬けがある、これもうとっておき。漬けることによって金柑の果皮がまるで果実かと弾けるように瑞々しくなる不思議。お茶請けにもぴったりで、白茶などの中国茶にも合いますし、緑茶もいい。お酒なら白ワインに、もちろん日本酒にも。まぁ、白っ

          金柑のあまい粕漬け(金柑を余すことなく味わいたいレシピ2)もうすぐやってくる金柑ロスに備えて🍊

          金柑のオランジェット、カルダモンの香り(金柑を余すことなく味わいたいレシピ)

          果肉はほぼ無しで、果皮がほとんどな不思議な果実。そしてオレンジにも、みかんにもない独特のシトラス風味。今だけの季節の金柑がとても好きだ。柚子の次に世界中でブレイクする日も近いと思っている、そんな金柑を旬のうちに余すところなく味わっておきたい。 カルダモン風味の金柑のオランジェットはチョコレートの代わりにカカオニブを使って大人な味わいに、サクサクした歯ごたえも良い。オレンジで作るオランジェットよりこちらの金柑ほうがかなり好みである。なんというかそれ独特の爽やかな苦味のおかげでさ

          金柑のオランジェット、カルダモンの香り(金柑を余すことなく味わいたいレシピ)

          春菊のニョッキ、いくらを添えて(日本食の急速なひろがり譚とともに)

          2018年頃からか、さらに速度を増して日本食が世界に浸透しつつある感じがする。日本人は奥ゆかしくて謙虚な気質だから自国の文化を主張するのが下手だったのだと思うし、わざわざ世界に主張もしてこなかった。長らくそんな時代を経て、SNSの登場で一気に日本食が何なのか知れ渡っていく速度をここのところ強く感じている。そうよ、やっぱり日本食はすごいよ、健康食でも世界一。 20年前、おにぎりの海苔を「黒くて髪の毛みたい、臭い」、お好み焼きを「甘いのかしょっぱいのかどちらかにしてくれ」。「上で

          春菊のニョッキ、いくらを添えて(日本食の急速なひろがり譚とともに)

          金柑とレバーの春巻きシナモン風味(金柑独特のシトラス風味はレバーにぴったり!) 【おまけレシピ】金柑のグラッセ

          意外と思われるかもしれないが、子供の頃かなりの偏食で野菜も肉も魚も圧倒的に食べられるもののほうが少なかった。とくにホルモンやお肉の脂身が子供ながらに恐怖。そんな私も高校生くらいになると自然と日常の食生活では好き嫌いはほとんどなくなっていった。(いまだに一部のジビエは苦手だけど)だからそれぞれ”克服した日”などよく覚えていない。けどわたし的ラスボスだった”レバー”を食べられるようになった日だけはよく覚えている。二十歳くらいのとき、貧血に悩んでいて「レバーがいいよ」って聞いて最初

          金柑とレバーの春巻きシナモン風味(金柑独特のシトラス風味はレバーにぴったり!) 【おまけレシピ】金柑のグラッセ

          すこしキャラメリゼした、独活(うど)のグラッセ 〜春の味、”うど”を簡単においしくいただきましょう〜

          この頃を過ぎてくると、春の山菜が出回ってくる。山菜の独特のえぐみにはデトックス効果があって代謝が低くなった冬のあいだ中、身体に溜め込んだ毒素を排出してくれる役割があるのだという。 それに、春になって目を醒した冬眠明けの熊は、すぐには何も食べることができず、目が覚めたらまず最初に ”蕗のとう” を食べて体の毒素や腸内に溜まったフンを出してから覚醒するらしい。(ゴールデンカムイでもそんなシーンがあった。) 自然はすごい。ほんとうにすばらしい。 だから、春の山菜のえぐみは天からの

          すこしキャラメリゼした、独活(うど)のグラッセ 〜春の味、”うど”を簡単においしくいただきましょう〜