迷惑を恐れず、自分らしく生きるために必要なこと
「迷惑ってなんだろう?」を考えてみる
以前、SNSでこんな意見を目にしました。
「『子どもの個性を伸ばすため』とか言って、やりたい放題させる親がいるから他人が迷惑するんだよ」
これを読んだ瞬間、「昔の自分もそう思ってたなぁ」とふと思い出しました。親が無理やり子どもの個性を伸ばそうとするのもまた問題を生む可能性があるけれど、今回はそれを一旦置いておきます。ここで改めて考えたいのは、「迷惑ってなんだろう?」ということです。
「迷惑」の感じ方は人それぞれ違う
この話には、大きく二つの論点がある気がします。一つ目は、「迷惑」という感覚が人それぞれ異なるということです。自分が迷惑だと思っていることが他の人にとっては迷惑でない場合もあれば、その逆もまた然りです。
例えば、こんな場面を想像してみてください:
メールのやりとり:丁寧に気遣いを込めて長いメールを書いたら、「簡潔にしてほしい」と言われた。逆に、要点だけ書いたら「冷たい」と思われた。
近所付き合い:子どもの声が賑やかなのを「元気でいいね」と言う人もいれば、「うるさい」と感じる人もいる。
こうした違いは、人それぞれの性質や状況によっても変わります。「自分がしてほしいことをして、自分がしてほしくないことをしない」というルールだけでは、必ずしも全ての人に通用するわけではないのです。
「やりたい放題」の人が教えてくれること
二つ目の論点として、「やりたい放題している人」に対する誤解があります。一見すると、そういう人たちは「自己中心的でわがままだ」と見えがちですが、実際には「他人も好きにしていい」という考えを持っている場合も多いのです。
一方で、自分を抑えがちな人はどうでしょうか?「自分の行動が誰かに迷惑をかけるかもしれない」と気にしすぎるあまり、自分のやりたいことを我慢してしまいがちです。その結果、相手が実は自分の行動を気にしていないことに気づけないこともあります。こうした行き違いは、実はとてももったいないことだと思いませんか?
誰にも迷惑をかけずに生きるのは無理?
次に考えたいのは、「迷惑」というものを完全に避けるのは不可能だという事実です。
誰にも迷惑をかけずに生きることは不可能です。
誰からも迷惑をかけられずに生きることも不可能です。
人それぞれ価値観が違う以上、何が迷惑になるかは事前には分かりません。だからこそ、最終的には自分のやりたいことを自分で決めて動くしかありません。そして、その行動を迷惑だと思った人には「やめてください」と伝える権利があります。逆に、自分も相手に「やめてほしい」と伝える権利があるのです。
自分を大切にするからこそ他者も大切にできる
コーチングの世界では、「自己基盤を強化する」という考え方があります。最終的には、自分を尊重し、自分本位であることを目指す状態を指します。
ここで言う「自分本位」とは、自分を大切にしつつ、だからこそ他者も尊重できることを意味します。それは「他者の行いをすべて受け入れる」ということではありません。むしろ、イヤなことには「No」と言える力を持つことが含まれます。
自分を尊重できるからこそ、相手に対しても誠実に接することができるのです。
アサーティブな伝え方の第一歩
「迷惑をかけたらどうしよう」「わがままだと思われたくない」と悩むことがあっても大丈夫です。誰もがそう感じる瞬間があります。それでも、自分の気持ちを大切にしながら、相手にそれを伝える。相手の行動に対しても、自分の考えを伝える。それがアサーティブというコミュニケーションです。
まずは、自分の気持ちを意識することから始めてみませんか?次に、それをどう伝えられるか考える練習をしてみてください。「こう伝えたら分かりやすいかな?」と自分の言葉を少し見直すだけでも、第一歩になります。その小さな一歩が、周囲の人との関係をより温かいものにしてくれるかもしれません。
迷惑を恐れすぎず、少しずつ自分らしく伝えていく。そんな生き方ができるよう、私自身も日々意識していきたいと思っています。
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