Carrot│映画ビジネスアナリスト

ビジネスとしての映画に興味があります。映画や動画配信サービスに関する最先端の情報やスタートアップ動向について発信していきます。 前職では海外ベンチャー投資をしていました。 / 映画ビジネス / 映画ファイナンス / 動画ストリーミング / 海外スタートアップ

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最近の記事

【ざっくり分析】松竹株式会社の業績(2021年2月期 第一四半期)~コロナ及びロックダウンの影響~

今回は松竹株式会社の直近の業績(2020年3月1日~5月31日)について調べてみた。コロナの影響がどれくらい出ているのか気になるところである。

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    • 【ざっくり】東急レクリエーション業績推移/109シネマズ(過去5年間)

      109シネマズは東急レクリエーション経営のシネマコンプレックス全国チェーンである。 今回は東急レクリエーションについて業績推移分析(トレンド分析・財務分析)をしてみた。 【業績推移サマリ】 ・過去5年間売上は横ばい、直近は減少傾向 ・全セグメントにおいて売上が減少傾向 ・利益の半分以上は不動産事業が稼ぐ構造(他の映画会社同様) ■会社の特徴 映画興行や不動産業を手がける東急グループの企業である。 もともとは新日本興業株式会社という名前の会社であった。 そこから1998年

      • 映画の興行収入予測方法について / ニューラルネットワークの活用

        映画は、様々なビジネスの中でもかなりリスクが高いビジネスである。 製作費が莫大でも、ヒットするとは限らない。 しかし、製作費をある程度かけないと、有名な俳優は雇えないし、豪華なシーンを撮影するのは難しい。 そのため、どれくらいの興行収入が見込めるか予測することが重要である。 製作費(投資)に対してどれくらいの興行収入(リターン)が見込めるか。 どの分野のビジネスにおいても重要なことである。 しかし、映画は人を感動させるビジネスなので興行収入を予測するのは簡単ではない。(

        • 【まとめ】東南アジアにおける動画ストリーミングサービス市場(2018年)について

          今回は東南アジアにおける動画ストリーミング市場についてまとめる。 2018年東南アジアの動画配信サービス市場のシェアは以下の図のようになっている。 シェア第1位はNetflix(アメリカ企業)、2位はiflix(マレーシア企業)、3位はViu(香港企業)であった。過去の記事でiflix、Viuについては説明済みである。 東南アジアの動画ストリーミングサービス(SVOD)市場規模は2022年に390億円までになると言われている。 東南アジアではユーザーがSVODサービスを

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        • 日本の映画会社
          6本

        記事

          【ざっくり】香港動画ストリーミングサービス-Viu社について

          これまでに様々な動画配信サービス(SVOD)を取り上げてきたが、今回は香港を拠点とするViuという会社について取り上げる。 日本で知名度はほとんどないViu社だが、既に世界17カ国に展開をしている。 以下は2018年東南アジアのSVODのシェアである。 全体の中でViuはNetflix、iflixに続いてなんとシェア第3位で10%を持っており、実はアジアの中でかなり存在感のある企業である。 ■会社概要 創業は2015年10月である。 親会社は PCCW Media Gr

          【ざっくり】香港動画ストリーミングサービス-Viu社について

          Netflixを超える勢いで成長する米国Roku社について

          今回は現在、Netflixを超える勢いで成長している米国Roku社について取り上げる。このRoku社だが、アメリカではかなり有名であるが、日本ではまだ販売がされていないためあまり知られていない。 ■Rokuとは Roku(ロク)社は家庭用のメディアストリーミング端末を手がけるアメリカのメーカーである。 Roku社の社名は日本語の「六(ろく)」に由来している。これは創業者の Anthony Wood(アンソニー・ウッド)が創業した6つ目の会社であったためだ。Rokuは200

          Netflixを超える勢いで成長する米国Roku社について

          ハリウッドがひれ伏した銀行マン / 映画の新たな資金調達スキーム

          「ハリウッドがひれ伏した銀行マン」というドキュメンタリー映画をご存じだろうか。 映画製作の現場で新たな資金調達スキームを編み出し、900本もの作品の製作をサポートしたオランダ人銀行マンの軌跡を描いたドキュメンタリー映画である。 この新たな資金調達スキームがなければ、「コンドル」「キングコング」「ターミネーター」「プラトーン」といった名作が作品が生まれることがなかったかもしれないと言われている。 ■当時のハリウッド 1970年代~90年代のハリウッドではプロデューサーや監督が

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          【ざっくり】今アメリカで最も注目されているモバイル向けの動画ストリーミングサービス - Quibi社について

          今回は今アメリカで最も注目されているモバイル向けの動画ストリーミングサービスのQuibi社について調べた。 先に話をしておくと、Quibi社はアメリカの様々なメディアで取り上げられているが、まだサービス開始をしていないスタートアップだ。それにも関わらず知名度は高く、創業して1年半で1,000億円を資金調達済みである。 なぜ、こんなにも期待されているかというと、その理由の一つが経営陣だ。 ■経営陣 ①Jeffrey Katzenberg氏(ジェフリー・カッツェンバーグ) ア

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          【ざっくり】インド市場でNETFLIXが苦戦する理由 - hotstar社について

          今回はインド版NETFLIXとしてhotstar社についてまとめたいと思う。 前回は東南アジア途上国版NETFLIXとしてiflix社についてまとめたが、今回はマーケットが大きいインドについて注目してみた。 hotstar社は4年前に創業したインド最大の映像ストリーミング配信会社であり、2019年4月に月間アクティブユーザー数が3億人に達したと発表した。 今回は、そんなインドで最も勢いのある映像ストリーミング配信会社についてまとめた。 <目次> ・hotstar社とは ・サ

          【ざっくり】インド市場でNETFLIXが苦戦する理由 - hotstar社について

          【ざっくり】東南アジア途上国版NETFLIX-スタートアップiflix社について

          NETFLIXといえば、世界で最も有名な映像ストリーミング配信会社の一つである。有料会員数は1億5,100万人(2019年7月時点)である。 実は東南アジアには、東南アジア途上国版NETFLIXとしてiflixというスタートアップがある。 アクティブユーザーは1,700万人(2019年5月)であり、最近、日本でも2019年4月に吉本興業が出資をしてニュースになった。 そんな今勢いのあるiflixについて今回はまとめた。 <目次> ・iflixとは ・iflixの設立経緯 ・

          【ざっくり】東南アジア途上国版NETFLIX-スタートアップiflix社について

          【ざっくり】大手映画会社3社比較分析(東宝・東映・松竹)

          日本の3大映画会社と言えば、東宝、東映、松竹である。 各社の分析を行ったので今回は、3社の比較分析を行いたいと思う。 参考までに過去の分析はこちら(東宝、東映、松竹) それでは比較分析を行っていきたいと思う。 ■直近の業績比較(2018年度) 以下に3社の2018年度の数値を並べた。 上記からわかることは主要映画会社3社と言っても、業界1位の東宝と東映では売上が2倍も異なり、業界3位の松竹も東映に対して、1.5倍の差があり、各社で大きな差ができている。 次の営業利益を比

          【ざっくり】大手映画会社3社比較分析(東宝・東映・松竹)

          【ざっくり】東宝業績推移(過去5年間)

          日本の3大映画会社と言えば、東宝、東映、松竹である。 今回は東宝について業績推移分析(トレンド分析)をしてみた。 (松竹の分析はこちら。東映の分析はこちら) 【業績推移サマリ】 ・過去5年間売上は順調に増加、一方で営業利益は近年、減少傾向 ・売上は伸びているが、利益率が悪化(主に映画事業、演劇事業) ・利益は映画事業がほとんど(57%カバー)であるものの、近年は苦戦 ■会社の特徴 東宝株式会社は、映画・演劇の製作配給・興行や不動産賃貸を行う日本の企業であり、阪急阪神東宝グ

          【ざっくり】東宝業績推移(過去5年間)

          【ざっくり】東映業績推移(過去5年間)

          日本の3大映画会社と言えば、東宝、東映、松竹である。 今回は東映について業績推移分析(トレンド分析)をしてみた。 松竹についての分析はこちら 【業績推移サマリ】 ・過去5年間売上、営業利益は順調に成長 ・利益の大半は映像関連事業(2018年度は全体の76%カバー) ・アニメ映画が好調で、子会社の東映アニメーションの業績も国内外で好調 ■会社の特徴 東映株式会社は映画の製作、配給、興行会社である。2019年現在、直営の映画館2館、2つの撮影所(東映東京撮影所と東映京都撮影所

          【ざっくり】東映業績推移(過去5年間)

          【ざっくり】松竹業績推移(過去5年間)

          日本の3大映画会社と言えば、東宝、東映、松竹である。 今回は松竹について業績推移分析(トレンド分析)をしてみた。 【業績推移サマリ】 ・過去2年間売上、営業利益はダウントレンド ・利益の半分は不動産事業(2018年度は全体の59%カバー) ・2018年度の映像関連事業は大幅減益(対前年比で約72%減) ■会社の特徴 松竹株式会社は、日本の映画、演劇の制作、興行、配給を手掛ける会社であり、他の映画会社と違う点は歌舞伎事業を持っていることである。創業は1895年であり歴史のあ

          【ざっくり】松竹業績推移(過去5年間)