Netflixを超える勢いで成長する米国Roku社について
今回は現在、Netflixを超える勢いで成長している米国Roku社について取り上げる。このRoku社だが、アメリカではかなり有名であるが、日本ではまだ販売がされていないためあまり知られていない。
■Rokuとは
Roku(ロク)社は家庭用のメディアストリーミング端末を手がけるアメリカのメーカーである。
Roku社の社名は日本語の「六(ろく)」に由来している。これは創業者の Anthony Wood(アンソニー・ウッド)が創業した6つ目の会社であったためだ。Rokuは2002年に創業された。
■ビジネスモデル
上記に書いたようにRoku(ロク)社は家庭用のメディアストリーミング端末を手がけるアメリカのメーカーである。
メディアストリーミング端末と言えば、アマゾンの「Fire TV」、グーグルの「Chromecast」、アップルの「Apple TV」などがしのぎを削っており、すでに競争が激化しているように思える。実はアメリカではRokuはこれらの競合を抑えて、業界でトップである。
(市場シェア:2019年第1四半期でRoku 39%、Amazon 30%、その他 31%)
では、なぜRokuがアマゾンを超えて人気であるか。
①価格が安い。
最安モデルの価格はわずか$29.99と、アマゾンのFire TV Stickよりも安い。
②中立的な立場である。
アップルは「Apple TV」を、アマゾンは「Amazon Fire TV」を展開しており、Amazon Fire TVでNetflixを再生するのはアプリを起動する必要があり、手間である。Amazonとしても、Netflixは競合であるのでこれは仕方ないことである。アップルについても同様のことが言える。
Rokuはどこにも属さない中立的な立場であるため様々なストリーミングサービスを等しく楽しむことができる端末である。
また最近では、Rokuは端末だけでなく、1万種類以上の無料番組を広告付きで提供している。Amazon傘下の企業IMDbも広告付き無料番組のストリーミングサービスを行っており、最近のトレンドである。
Rokuはユーザーの行動履歴を収集して、ユーザーに合った広告を流しており、広告スポンサーとしてもTVで広告を流すよりも精度が高いとのことだ。
■直近の業績
直近の業績は第2四半期で売上が約270億円、対前年比では約60%の成長であった。売上の内訳は広告が67%で機器販売33%である。
機器ではあまり利益が出ず、広告で収入を稼ぐモデルということがわかる。
アクティブユーザー数は3,000万人を超えている。2025年には8,000万人に到達すると予測されている。この成長は過去のNetflixの成長軌道よりも早い。
ちなみに2025年の年間売上は4,500億円と予測されている。(そのうちの89%が米国という前提)
株価の推移からも期待が高まっているのがわかる。
今年はディズニーもDisney+を開始したりと、動画ストリーミングサービス市場自体はますます大きくなっていく。市場が盛り上がれば盛り上がるほど(ユーザーは複数サービスを利用するので)、Rokuの端末が売れるようになっていく構造だ。最後に勝つのは意外とRokuということもあり得る。
現時点ではRokuは日本では未販売である。
日本でもストリーミングサービスが普及しているので上陸してくるのは時間の問題だと思う。販売が待ち遠しい。
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