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"問い"からはじまるものがたりの"おいかぜ"になるおはなし

ボクは小さいころから、とても緊張しいなので、だいたい1クラスくらいの人数を越えたあたりから、あまりうまく話せなくなってしまいます。さすがに少しはマシになったけれど(そう思いたい)、それは相変わらず得意ではないことで、先日そういう場面でボクより一回り以上若い子たちが上手に話しているのを見て、本当に立派だなぁと感心していました。みなさん舞台度胸があったなぁ。

その"先日のそういう場面"とは京都信用金庫さんが河原町御池にQUESTIONという新しい施設をオープンされるにあたっての記者発表。ボクたち株式会社おいかぜはパートナーという役目を仰せつかることになり、ウェブサイトやデジタル領域を担当する立場として、拙いながらも少しお話をさせていただきました。

ボクの一番得意な言語化の手段は"話す"なのですが、前述のとおり対大勢になると発揮できていない気がしています。"話す"の次に得意な言語化の手段が"書く"ことです。ボクの文章を読んだ人が"あなたの文章はあなたとお話しを聞いているみたいだ"と言われることがあるのはたぶんそういうこと、つまり"話す"ことをベースに”書く”ことをしているからなんだと思います。ボクがあの日・あの時・あの場所で、QUESTIONビルについての想いや、パートナー企業として伝えたかったことを、ちゃんと言語化しておこう、そう思って今日はこのnoteに向き合っています。

はじめに

QUESTIONビルのメインコピーは"様々な人の「?」が集まる場所"です。”?”まさにQUESTION、日本語で直訳すると”問い”ですね。とても抽象度の高い、そして広義なキーワードです。そしてとても難しいテーマだとも思います。

このプロジェクトに関わってから、改めて”問い”とは何か?という”問い”にボクなりに日々向き合っています。そうやって向き合ってみたとき、ボクは子どもの頃のことを思い出していました。

豆電球をコンセントに突っ込んだらどうなるんだろう?
灯りのついた蛍光灯に冷たい何かをくっつけたらどうなるんだろう?
耳の穴にレゴのパーツを入れたらどうなるんだろう?

ボクが子どもの頃に立てた"問い"たち。誰もが同じではないけれど、みなさんこんな感じの疑問?問い?が頭に浮かんだことはないでしょうか?そしてこういうことって必ず試したくなって、ボクが立てた”問い”の結果は、ご想像の通りとんでもないことになるわけですが。

豆電球をコンセントに突っ込んだらどうなるんだろう? = 豆電球が爆発する
蛍光灯に冷たい何かをくっつけたらどうなるんだろう? = 蛍光灯が割れる
耳の穴にレゴを入れたらどうなるんだろう? = ボクが耳鼻科に連れて行かれる

この問いたちを並べてみたとき"問い"の起点はとてもシンプルであることがわかります。それは"興味や好奇心"です。"とても難しいテーマ"と書きましたが、正確には"大人にはとても難しいテーマ"と言ったほうが良いかもしれません。子どもから大人まで、職業や立場に関係なく、もちろん性差なんてものはなくって、みなさんが暮らし・働き・生きている場面で常に"問い"は生まれているはずです。大人になってしまうといろんな理由で、その"問い"を自分自身でキャッチできていなかったり、言語化できていなかったりするんだと思います。それはボク自身もそうだから。

そういう意味で"問い"を産み出すこと自体はハードルが高くなくって、その先の対話や議論や課題化していくことが難しいってことなんじゃないかと思っています。"興味や好奇心"を大切に、日常の"問い"を言語化していくことが、みんなの生活・会社の取り組み・社会をより良く変えていくことに繋がっていく可能性を持っている、そういうことだと思います。それらの"問い""母性的""大きな間口"で受け止めようとしているのがQUESTIONビルの存在であり、京都信用金庫さんの新しい取り組みであると、ボクはそう理解しています。

ハードウェアとソフトウェア、リアルとバーチャル、あらゆる側面から"問い"を受け止めるQUESTIONビル、それは京都信用金庫さんの覚悟そのものです。いままさに11/2(月)のオープンに向けて、関係者のみなさんで全力・全速力で準備されています。ボクたちおいかぜも京都信用金庫さんの"おいかぜ"になるべく、ウェブサイト・リーフレット・アニメーション動画の制作をお手伝いさせていただいています。

そんな前提ありきで、ボクたちおいかぜがQUESTIONビルへ関わるうえで、特に大切にしたいポイントは3つ、つまりこれがボクが記者発表でお伝えしたかったことです。うまく言語化できているといいのですが。

ポイント1:抽象度の高いキーワードの言語化

QUESTION・問いという広義で抽象度の高いキーワードをデザインや直接的なコンセプトで説明するだけでなく、コンテンツの発信や映像を駆使して、周辺を語ることによって中心やコンセプトを浮き彫りにするような、そんなお手伝いにできればと考えています。

それはウェブデザインであり、グラフィックデザインであり、システムやアプリの構築であり、アニメーション動画、コンテンツマーケティングなど、クロスメディア・メディアミックス的に実現していければと思っています。QUESTIONビルでの体験や経験を、アナログとデジタルを行き来しながら、抽象と具象を行き来しながら、QUESTIONの本質を伝えていきたいと思っています。

ポイント2:象徴的であらゆる人たちに拓かれた場に相応しいデザイン

河原町御池の交差点、北東には”ホテル オークラ”、北西には"京都市役所"、そして南東に位置するQUESTIONビル、とても象徴的な場所に位置しています。外壁が白く、京都信用金庫さんのロゴマークまで白く塗られた、一際存在感を放っています。そのビルのたたずまいと同じく、まずは「なんだろう?」「おもしろそう」と思ってもらえるような、ワクワクドキドキを感じることのできるようなデザインを目指しました。

少しPOPで親しみやすい、誰もが"QUESTION・問い"を投げかけたくなるような、象徴的で存在感はあるけれど、「なんだろう?」「おもしろそう」を表現し、良い意味で身近な存在と感じることのできるようなクリエイションをしていければと思っています。

※ 現在ティザーサイトが公開中。新しいデザインの本サイトは10/29(金)リリース予定

ポイント3:コロナ禍でのデジタル領域やウェブサイトの関わり

新型コロナウィルス感染拡大以前から始まった本プロジェクト。コロナ禍においてデジタル領域の戦略変更を余儀なくされました。京都信用金庫さんと、どういうウェブサイトにするべきか、何度も議論を重ねました。

より重要になったリアルの場所の価値、ウェブサイトは補完する役割ではなく、リアルの場所と同じくあるいはそれ以上の価値を持つような存在になるべきだと考えています。リアルとバーチャルの垣根を取り払いつつ、QUESTIONビルと同じく、ウェブサイトが独自の存在感を示す、そんな戦略にしていければと思っています。

最後に

最後に今現在のボクの"問い"について。

起業す直前くらい、たぶん18年前くらい、当時の事務所(ワンルームマンション)に大学時代の親友が遊びに来てくれたことがあります。そのころ起業に向けて事務所を探していたボクたちは、あるインキュベーションオフィスの入居申し込みをするために企画書を書いていました。金融機関に勤めていた、いまではMBAと中小企業診断士の資格を持っているその親友にアドバイスを求めたところ、

おいかぜの商品って何なんだろう?

こう質問されたのです。

ウェブサイトだとかデザインだとかサーバテクノロジーとかいろんな言葉を使って答えた気がするのですが、ぜんぜんうまく答えられなくて、さらに「それってお客さんがおいかぜに頼む理由ってどこにあるのかな?」と彼に聞かれて、何も返せなくなったことを今でも昨日のことのように覚えています。 

ボクはこの"問い"を、頭の片隅に・心の中心に据えて、17年間ずっともがいています。まだ彼に"これが商品だよ"と答えるところにまで辿り着いていません。

でもこの数年、優秀なスタッフたちのおかげで、少し答えに辿り着きつつある気がしています。(そのお話はまた別の機会に。)そこに辿り着いたとき、もしかするとそこから新しい”問い”が生まれて、またその”問い”に向き合い続ける日々がはじまるのかもしれませんが。

こうやっていろいろ言語化してみると、"問い"ってとてもおもしろい。

いままで多くの人の暮らし・働き・生きている場面で産まれた”問い”からはじまるものがたり、そしてこれからQUESTIONビルで産まれたいく”問い”からはじまるものがたり、そんなたくさんのものがたりの”おいかぜ”になりたい、ボクはボクたち株式会社おいかぜは、今そんな想いです。

あと半月くらいでQUESTIONビルがオープンします。みなさん是非いろいろな"問い"をぶつけに来てください。”問い”がなくても遊びに来てください。そこで問いが産まれるかもしれない。そんな有機的でフレキシブルでちょっと風みたいな存在の場所が、京都に新しく誕生するってすごく嬉しいなぁと思うわけです。

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