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論点を逸らして「泥仕合」に持ち込まれる!?『お前だって論法』
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相手の主張や批判に対処せずに、相手が過去に似た言動をしたことを指摘して論点を逸らす『お前だって論法』。発生することによって生じる問題点や対処方法、「お前だって」に立ち向かうために必要な2つの注意点について解説しています。
■『お前だって論法』とは?
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誰かと言い争いをする中で「お前だって●●じゃないか」「そっちこそどうなんだ」というような反論を受けたり、したことはありませんでしょうか?
『お前だって論法』とは、相手の主張や批判に対処せずに、相手が過去に似た言動をしたことを指摘して論点を逸らす論法のことです。
言い換えると「受けた指摘を相手の落ち度に変える論法」ともいえます。
英語では「お前も」を意味するラテン語の「Tu quoque」、あるいは「appeal to hypocrisy」と表現され、日本語では「偽善の抗弁」などと表現されます。
主張に対して、その主張に反論したり正当性を説明するのではなく、主張する相手の過去に遡って類似した言動を指摘して、批判を逸らしたり論点を拡散させる「論理的誤謬(ごびゅう)」(※)の一種とされています。
※論理的誤謬(ごびゅう):主張の効力を喪失させる恐れのある論理の誤りのこと。
■『お前だって論法』の例
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◆ケース1:同僚Bの遅刻
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同僚A:そういえば今日、遅刻したね。
同僚B:お前だって昨日、遅刻したじゃないか。
同僚Aの論点は「同僚Bの今日の遅刻」ですが、同僚Bは「同僚Aの昨日の遅刻」に論点をすり替えています。
このケースでは、目下の論点は「同僚Bの遅刻」なので、謝罪するなりして片付けなければ、建設的な議論はできません。
◆ケース2:部下Bが準備した会議資料のミス
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上司A:昨日、君が準備してくれた会議資料、記載ミスが多かったぞ。
部下B:●●さん(上司A)も、同じようなミスをしていたじゃないですか。
上司Aの論点は「昨日準備した会議資料のミス」ですが、部下Bは「過去の似たようなミス」に論点を逸らしており、『お前だって論法』の典型例と言えます。
◆ケース3:ロシアのウクライナ侵攻
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Aさん:ロシアのウクライナ侵攻は許されることではない。
Bさん:そういうアメリカもアフガニスタンに侵攻したではないか。
Aさんの論点は「ロシアのウクライナ侵攻」であるのに対し、Bさんは「アメリカのアフガニスタン侵攻」に論点をすり替えています。
ロシアのプーチン大統領は「ロシア人とウクライナ人の民族的一体性」を掲げていますが、この侵略行動の違法性は明白と言えます。
ですが、プーチン大統領は『お前だって論法』を用いて、自身の正当性を主張しています。
■『お前だって論法』の問題点
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◆論点を逸らす・すり替える
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『お前だって論法』の問題点の一つは、議論の本筋から逸れることで、本来解決・解消するべき論点が置き去りにされてしまうという点です。
◆人格攻撃へと転じてしまう
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次に挙げられる問題点は、議論すべきポイントから注意を逸らし、過去の行動や個人の人格への攻撃に焦点を移してしまう、という点です。
重要なのは「主張する内容が正しいかどうか」であり「過去に何をしたか」ではありませんが、議論を逸らす・すり替えることで非建設的な言い争いへと発展してしまいます。
◆泥沼の闘いになってしまう
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『お前だって論法』を繰り返し、相手の過去にさかのぼって攻撃をし始めると、収拾がつかなくなり、泥沼の闘いに発展するリスクが高まってしまいます。
■『お前だって論法』を見抜き対処する方法
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この『お前だって論法』は一見、有効な反論のように思えるかもしれませんが、議論を非生産的な方向へ導いてしまう危険があります。
そのため、健全で建設的な議論をするためには、『お前だって論法』を見抜くことが必要になります。
◆議論の本筋に戻す
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相手が『お前だって論法』を展開している場合、議論は「過去の類似ケース」など本筋から逸れることになります。
そのため、まずは議論を核心に戻すために「過去は関係ない」と明確に伝え、焦点を戻すことが必要になります。
◆「事実」と「意見」を区別する
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次に、議論する相手が『お前だって論法』を用いている場合、「事実」ではなく、個人的な「意見」に焦点を当てる傾向があります。
そのため、「事実」と「意見」を明確に区別する・させることがポイントとなります。
◆感情的にならず冷静に対処する
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『お前だって論法』に対すると、感情的になりがちです。
論理的かつ冷静に反応・対処することで、議論を生産的な方向へ引き戻せるようになります。
◆「論理的誤謬」を指摘する
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相手に『お前だって論法』を用いていることを冷静に指摘し、それが「論理的誤謬(ごびゅう)」であることを説明します。
『お前だって論法』・「論理的誤謬」による議論の本筋と関係のない「個人的な攻撃」がなぜ問題なのか?を理解させます。
◆反省を促す
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議論の本筋と「個人的な攻撃」が関連していないことを自覚させ、自己反省を促します。
◆建設的な対話に引き戻す
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最後に、議論の本筋に戻し、本来行うべき建設的な対話を行えば、解決・解消へと向かうはずです。
↓
この続きでは、「お前だって」に立ち向かうために必要な2つの注意点について解説しています。
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