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教育改革は「改変」ではなく「○○」!

今から14年前にiPhoneが登場し、今では街で見かけるほとんどの人がスマホに目を落としている。そしてこれからの10年はさらに社会が変わっていく。

そして、教育は子どもたちがこれからの社会でよりよく生きるためにあらゆる側面で重要。

1、高校にジャーナリズムプログラム

昨日投稿した『TRICK スティーブ・ジョブズを教えYouTube CEOを育てたシリコンバレーのゴッドマザーによる世界一の教育法』の著者エスター・ウォジスキー

彼女自身は、地元パロアルト高校の名物教師だった。貧しいユダヤ系移民の二世としてアメリカで育ち、苦労して大学を出たあと、当時男性しかいなかったジャーナリズムの世界に入り、結婚後は高校でジャーナリズムを教えた。公立のパロアルト高校にジャーナリズムのプログラムを開き、高校新聞を含むメディアを生徒に運営させた。授業にいち早くテクノロジーを取り入れたのもエスターである。

2、チャータースクールに創造性と起業について授業

『創造性が育つ世界最先端の教育 CREATIVE SCHOOLS』ケン・ロビンソン、ルーアロニカ著では、

「学校教育はある創造性を殺してしまっている。誰もがあり溢れる生来の才能を持ってこの世に生まれてくるが、学校を卒業するまでにあまりに多くの人々がそういった才能をなまらせてしまう。非常な才能に恵まれた人々の多くが、得意なことが学校で評価されず、それどころか批判されていたため、自分はダメだと思い込んでしまうのである。これは個々人にとっても、コミュニティーの健康にとっても悲劇的な影響を及ぼす。」

この本では教育について論じる前に用語の意味合いを明確にしている。「学習」「教育」「トレーニング」「学校」など。その中で、「学習」とは、

新しい知識やスキルを習得するプロセスのことを指す。人間は非常に好奇心の強い、学習する有機体である。生まれた瞬間から、子どもには旺盛な学習欲が備わっている。多くの人にとって、その学習欲は学校時代に低下する。そのため学習欲を保つことが教育改革の鍵となる。

アメリカにおける教育標準化運動、また「令和の日本型学校教育」においても、学習は今後の社会で仕事に就ける力をうたっているのに、若者を就労にそなえさせる直接的な学科ではなく、学力向上に焦点を当てている。

IBMは組織のリーダーが従業員に何より求める性質について、「変化への適応力と新しいアイデアを生み出す創造力」を挙げた。非常に有能な大卒者でも、この二つの資質に欠ける人が多いという。

この本での学校授業で取り入れた具体的内容は、チャータースクール(さまざまな危険にさらされた生徒たちの問題のために存在する学校)に招かれた建築家のスティーブ・リースが、その学校で創造性と起業について学ぶ授業を持った。授業では、つまようじで橋を作ったり、本をどうやって書くか、床屋を経営して年収800万稼ぎたかったら、どうするか?などをともにアイデアを出し合った。
このような授業をすることで、生徒たちは主体的に参加するようになったとのことだ。

3、公立中学校で「よのなか科」

杉並区立和田中学校で民間校長として5年間勤められた藤原和博さんの「よのなか科」の記述試験(もちろん試験といっても赤点などないが)も興味深い。

・ハンバーガーこれから安くなる?高くなる?
・将来自分が家を建てるとしたら何に一番お金をかける?
・自転車放置問題の自分なりの解決策を記せ。
・人を「差別」することがどうして起こるのか。イジメと関連させて記せ。
などが出題されるようだ。

教育の目的は1つではない。経済的、文化的、社会的、個人的なものがある。
そして教育はそれ自体が目的ではなく、人間とは仕事をして、生きていくため、あらゆる面での糧を手に入れる目的のための手段ということを当然忘れてはいけない。

産業革命ならぬ、情報革命もフェーズ(局面)があるようで、すでに第1フェーズが終わりかけているとのことだ。果たして教育界が10年後の未来をどのくらい予測できているだろうか。

教育改革は「改変」することではなく、思いきって「一変」することが求められているのではないか。

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