本を探す 難しいけど豊かな時間

先日、友人が本を探していました。この友人はwebのコーダーをしていて、若手に指導するためのテキストを探しているとのこと。色々な本がありますが、なかなか適切なものが見つからない様子でした。

本を探すのは、なかなか難しい作業です。

そのため、大学の教員などは、「自分で書いた方が早い」ということになります。

ちなみに僕も、テキストとして本を書いたことがあります。このときは、恩師との共著で参加させて頂きました。
本を書くのはなかなか大変で、「書きたい」と言ったら書けるものではありません。特に、学術書などの出版社では、実績がないと、機会も頂けません。

ちなみに僕は以下の本を執筆しました。
『新時代の物流経済を考える』成山堂書店(2008)

そうそう、よく学生さんから、「先生は教科所を書いて、学生に買わせるから儲かるでしょ」などと言われますが、、、

このような書籍は、全く儲かりません。チームで1年半の時間をかけ、参考文献などを考えたら、完全に赤字です(笑)

それでも執筆するのは、自分の講義に合った本がないからです。
ちなみに、他大学での非常勤講師(国際交通論)のときは、とある親しい先生の本を使いました。

実は、今本を探しています。

僕が中心の勉強会を開催していて、テキストというわけではありませんが、参加者の方の要望に応えるため、カリキュラムを考えているためです。

また、執筆を考えているものもあります。
デザインの学校で教えているので、せっかくなので、経営学部とは違う内容で、タイトルは『デザインを学ぶ人のためのマーケティング入門』というものを考えています。

担当している広告デザイン専門学校では、僕が作った教材を綴じて配布してもらっています。
これは、講義を通じて書き込んでもらい、実務に就いた後、マーケティングの自分のテキストを、自分で作り上げるというものですが、せっかくなので、僕の講義を聞いていない人にも役立つものを作りたいと考えています。

タイトルでも記した通り、実は、本を選ぶというのは、とても難しい作業です。その人その人のレベルや、学びたい内容によって、適した本が異なるからです。

ちなみに、「本」という意味では、辞書も同様です。
僕は、論文を書くため、『日本国語大辞典』を持っていますが、これは普段使いには向きません。僕が持っているものは、2002年版で、14巻ですから、持ち歩くこともできません。(笑)

そのため、スマホには有料の大辞泉を入れていて、普段、外出時にはこれを使っています。

そうそう、辞書の選び方というと、サンキュータツオさんという芸人であり国語学者の先生が、以下の面白い本を出されています。
『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』(角川学芸出版)、2013年(2016年、角川文庫)

また、僕はよく古典を読みます。
例えば「100分de名著」で紹介されているものは、岩波文庫を読みますが、原著に準じていて、海外のものであれば、その分野の専門家が訳しており、慣れていない方には、かなり難しく感じると思います。
今注目されている、渋沢栄一の『論語と算盤』も、Googleで検索すると、かなりの数になります。れらの中から、自分が‘読める’ものを探すのも、それなりに大変だと思います。

・それでも本を探すのは楽しい
本を探したいときは、それなりに大きな書店へ行きます。特に専門的なものは、そうしなければ見つけるのが難しいからです。
書店へ行けば、分野別にたくさんの本がならんでいます。知っている本もあれば、知らなかったものや、新しいしてんのものなどがたくさんあります。
実は先日、リベラルアーツの本を探していました。僕の勉強会で使うのに、良さそうなものをさがしていましたら、面白い本を見つけました。

『ことは・ロジック・デザイン:デザイナー・クリエイターを目指す方々へ』妻木宣嗣

見ていたのは哲学、論理学の書架です。確かに題には「ことば」とありますが、少し違うようにも思います。めくってみるとなかなか興味深い内容なので、購入することにしました。

このように、本を探していると、新たな「智」の出合いがあります。これまで知らなかった、興味深いことがたくさんあります。

とは言え、、、やはり本を探すのは難しいもの、失敗すると、その分野が嫌いになってしまうこともあるので、要注意です。

だから、本を探すときは、ゆっくり時間をかけなければなりません。言い換えれば、本を探すときくらいは、ゆっくり時間を使いたいものです。

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