【温泉】有馬温泉「陶泉 御所坊」(神戸市)
(※冒頭の写真は、公式サイトからお借りしました。)
今日ご紹介するのは、あまりにも有名な関西の温泉地である、有馬温泉にある老舗旅館、「陶泉 御所坊」さん。
昨年の夏、立ち寄り湯のために訪問した。
実は、有馬温泉は、とても不思議な温泉だ。有馬温泉のある近畿地方には、火山がない。それにもかかわらず温泉が湧くのは、なんと、600万年前に日本列島の下に沈み込んだ海水が、温泉となって地表に出てくる、というのだ。
そして、こちらの「陶泉 御所坊」さんは、有馬で最も古くからある老舗旅館だ。約800年前の鎌倉時代から創業しているという。こちらの公式ホームページによると、藤原定家、足利義満、豊臣秀吉、伊藤博文、与謝野晶子、谷崎潤一郎などの、歴史上の有名人が利用した記録があるという。
そんな伝統ある旅館の外観が、こちら。
玄関をくぐると、広々とした、美しいロビー。
待合エリア。昔懐かしい雰囲気。
館内を進む。和のテイストで統一されている。
廊下に展示されているのは、こちらの旅館の歴史と伝統を物語る、貴重な品々。
こちらが、温泉の入り口。男女別の更衣室へと続いている。
ところで、有馬温泉のお湯には、「金泉」「銀泉」がある。金泉は鉄分と塩分を含み、赤茶色でとろりと濁った泉質が特徴。一方、銀泉は、無色透明のさらりとしたお湯。
こちらのお宿の売りは、金泉の源泉をかけ流しで提供していることだ。有馬温泉で源泉を加温・加水することなく、100%掛け流しをしているのはこちらのお宿だけらしい。
こちらが、温泉分析書。泉質は、「含鉄-ナトリウム-塩化物強塩温泉」。
こちらが、この旅館の目玉である、半露天の大浴場、「金郷泉」の写真。
(※写真撮影禁止のため、公式サイトからの写真をお借りしています。)
この独特の形からお分かりのように、こちらは、珍しい「半混浴」式の浴場だ。大きな湯舟が真ん中で男女別に仕切られている。一つの同じ空間を男女でも楽しんで欲しいという旅館の配慮から、このような設計になったとのこと。
男女別の更衣室から続く、洗い場と内湯のある男女別のスペースから、こちらの大浴場へ進むことができる。男女別エリアからスロープが大浴場へと続いており、奥(写真の手前側)まで行くと、外の景色が眺められるようになっている。
入浴の際には、男女別スロープエリアでしゃがみ、首から上、肩から上だけをお湯から出す姿勢になってから、混浴エリアに進もう。そうすると、身体のうち、湯に浸かっている部分は赤茶色のお湯に完全に隠されて、身体を見せることなく混浴気分を楽しむことができる。金泉だからこそできる、「半混浴」の仕組みだ。
この日は、夫と一緒にこちらを訪問した。通常は、夫と一緒に温泉を訪問しても、混浴でない限りは、当然ながら、お湯に浸かっている間はひとりで過ごすことになり、ちょっと寂しい思いをする(他の女性客と話すこともあり、それはそれで楽しいが)。
ところがこの日は、この「半混浴」の造りのおかげで、境界越しにお互い近づいて、夫と話をすることができた。「気持ちいいいねえ~」と感想を述べながら、一緒に温泉を楽しめるのは格別だった。
混浴を楽しみたいけれど、本当の混浴はハードルが高すぎる、と躊躇しているカップルには、自信を持ってお勧めしたい。
素晴らしい温泉でした。お世話になりました!
こちらのお宿のホームページは、こちら。
過去の温泉訪問記事へは、こちらのリンク集からどうぞ。
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