【温泉】祖谷温泉「和の宿 ホテル祖谷温泉」(徳島県三好市)
今日ご紹介する温泉は、徳島県三好市の祖谷渓にある祖谷温泉の「和の宿 ホテル祖谷温泉」。こちらにて、日帰り入浴させていただいたときのお話である。
祖谷渓は、祖谷川によるV字型の険しい谷が続く渓谷だ。日本三大秘境のひとつであるという。(ちなみに、あとの2つは、岐阜県の白川郷と、宮崎県椎葉村だそうだ。)
そして、この祖谷渓の真ん中に位置する祖谷温泉は、日本三大秘湯のひとつであるという。(ちなみに、あと2つは、北海道のニセコ薬師温泉、青森県の谷地温泉。なお、ニセコ薬師温泉のほうは、2014年に閉館したらしい。残念。)
なお、この温泉の近くには、なぜか、深い渓谷に向かっておしっこを飛ばすスタイルの小便小僧の像があり、ちょっとした観光名所になっている。
この小便小僧の像や、祖谷温泉のあるエリアには、バスか自家用車でクネクネとした細い一本道を進まなければならない。
なお、北からのアプローチと南からのアプローチがあるが、北側(JR祖谷口駅側)からの道は離合困難という口コミが多かったため、南側(祖谷のかずら橋方面)から自家用車でアプローチした。
途中、すれ違い困難な場所が何か所かあったが、このときたまたま軽自動車であったことと、相手方が譲ってくださったことで、事なきを得た。助かった。
こちらが、お宿周辺の風景。道路の両側に、所狭しとマイカーが並んでいる。
こちらが、お宿の玄関。
日帰り入浴の料金は、おとな1700円(2022年11月当時)。
お風呂は、ケーブルカーで谷底に降りた先にある、このお宿の名物の露天風呂と、館内にある展望風呂の2か所がある。
露天風呂には洗い場がないため、先に館内のお風呂で身体を洗うとよい。また、アクセサリーは外すほうがよい。受付でそのようにアドバイスをされた。
こちらの温泉の泉質は、アルカリ性単純硫黄泉。源泉温度は38.3度。pH値は9.1。露天風呂は源泉かけ流しで、館内のお風呂のほうは、源泉を渓谷の下から汲み上げ、循環ろ過、塩素消毒して提供している。
こちらが、館内のお風呂の入り口。
脱衣所から先は厳格な撮影禁止なので、公式サイトから写真をお借りした。綺麗で、スタイリッシュな造りだ。景色が良く、渓谷の景色がまるで額縁の絵のようだ。こちらのお風呂の洗い場で、身体をしっかり洗う。
いよいよ、露天風呂へ向かってみよう。ケーブルカーで谷底に降りていくのだ。
ケーブルカー乗り場に、以下の説明があった。ケーブルカー乗り場から、谷底の駅まで、距離は250メートル、標高差170メートル。そしてレールの勾配は約42度だという。かなり急な角度で、結構な距離を下るということだ。
ケーブルカー乗り場からの景色は、この通り。深い谷。いかにも秘境だ。
ケーブルカーの路線を目で追うと、谷底につながっている。はるか下のほうから、上ってくるケーブルカーが、小さく見えた。
ケーブルカーは、ゆっくりと上がってくる。
おお。かなり近づいてきた。
到着。係の方が、扉を開けてくれる。
このとき、お客さんが少なく、一番前に乗ることができた。係りの方のご指示に従い、「下り」ボタンを指で押す。すると、ゆっくりと自動で降下してゆく。
ゆっくりと、降りていく。窓の隙間から、下を見下ろすが、谷が、とても深い。ちょっと怖い。
突き当たりに、湯小屋の屋根らしきものが見えてきた。しかし、まだまだ小さい。
ゴールが、だんだん近づいてきた。
いよいよ、ゴールの停車駅だ。
アナウンスに従い、降車する。ちなみに、車内はこんな感じ。車内の床の傾斜も、かなり急だ。
停車駅から、さらに、いくつか階段を降りる。そうして、ようやく入り口に辿り着いた。
奥に、更に、男女別の入り口がある。
ここからは、撮影禁止。のれんの奥には、更衣室があるが、湯船までは、さらに階段を降りなければならない。階段を降りた先に岩風呂があるのだが、そのすぐそばにも若干の脱衣籠があった。
以下の2枚は、公式サイトからお借りした岩風呂の写真。「渓谷の湯」と「せせらぎの湯」がある。私が入浴した際には、女湯は「せせらぎの湯」だった。
こちらは、貸切露天風呂「やまぎりの湯」の写真(私は利用していない)。
まず感激したのは、湯量が豊富なこと。湯船は、かなり広い。これほど広い湯船を常に満たすほどの湯量を源泉かけ流しで提供しているのは、素晴らしいというほかない。
早速入ってみる。ぬるい。源泉温度は38.3度で、もともと、ぬる湯だ。訪れたのは、11月後半。外は結構寒かった。最初は身体が十分温まるか不安だったが、しばらく長湯をすると、少しずつ温まってきた。
お湯の色は透明なのだが、白みがかっているようにも見える。白い湯の花と、泡の細かい粒のためだ。そして、この、泡がすごい。あっという間に、腕や脚に、細かい泡が、面白いようにまとわりついていく。
また、アルカリ性ならではの、ツルスベ感が気持ちいい。そして、香りは、ほのかな硫黄臭。
周囲は深い山。透き通った青い川と、そのせせらぎ。神秘的な風景と澄んだ空気に包まれながら、アワアワ、ツルスベ、硫黄の香り漂う新鮮で豊富なぬる湯に抱かれる。まさに秘境、秘湯での、神秘的な体験だった。
小一時間ほど、この極上の温泉を堪能し、お風呂から上がることにした。しっかりと服を着こんで、谷底からの景色を眺めながら、しばし休憩した。なかなか神秘的な風景だ。
ケーブルカーの駅と、脱衣所、湯小屋の外観。
さあ、谷の上に戻ろう。ケーブルカーを待たねばならない。こちらが、ケーブルカーの待合室。綺麗で、窓からの景色も楽しめる。
待合室から下を見下ろすと、紅葉と青緑の川が眺められる。
ケーブルカーの線路を見上げる。やはり急だ。
上から車両が降りてきた。
ゆっくり近づいてくる。
こうして、ケーブルカーに乗り、谷の上に戻った。神秘の世界から、俗世間に戻った、という感覚だった。
唯一無二の、素晴らしい温泉、素晴らしい施設だった。
お世話になりました!
こちらの施設の公式サイトはこちら。
ここからほど近い場所にある大歩危(おおぼけ)温泉の記事もどうぞ。
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