【グルメ】「白龍」の「じゃじゃ麺」(岩手県盛岡市)
今日ご紹介するグルメは、岩手県は盛岡市のご当地グルメ「じゃじゃ麺」。2021年に、じゃじゃ麺発祥のお店「白龍」さんに伺ったときのお話だ。
「じゃじゃ麺」は、わんこそばや冷麺と並ぶ、岩手や盛岡の郷土料理のひとつ。そのはじまりは、こちらのお店の初代が、戦前に旧満州で食べてきた炸醤麺をもとに考案したものだという。盛岡に引き揚げた後、地元の人の口に合うようにアレンジながら、屋台で提供したということだ。
以下の読売新聞の記事によると、現在は、初代の娘さんで、80代のご高齢である3代目が、お店を切り盛りされている。外国人のお客さんも多いということだ。
こちらが、同店で提供されたじゃじゃ麺だ。
麺は、白くて平たい。そのうえに、肉みそ、キュウリ、ネギ、ショウガ、ニンニクが載っている。
これに、酢、ラー油、にんにくを加えて、よく混ぜる!
ビジュアル的には、なかなかワイルドだ。濃厚で複雑な味が、もちもちとした麺によく絡む。食欲をそそり、やみつきになる味だ。
しかし、じゃじゃ麺は、それだけでは終わらない。
食事の締めに、「ちーたんたん」をいただくのだ。
はて、「ちーたんたん」とは、何ぞや?
周りの常連さんの様子を見ていると、そのお作法が分かってきた。
じゃじゃ麺を食べ終わる少し前に、麺を少し残した状態で、カウンターに用意されている生卵を割り入れ、かき混ぜる。その状態で、お椀を店員さんにお渡しする。
すると、店員さんが、そこにじゃじゃ麺のゆで汁を加えて、ねぎと味噌をかけて、お椀を戻してくれる。
それに、塩コショウなどの調味料を適宜足して、かき混ぜる!
すると、何とも風味豊かな卵スープが出来上がった。
ちーたんたんとは、中国語では、「鶏蛋湯(チータンタン)」。「鶏蛋」は、鶏の卵のことなので、「卵スープ」という意味だ。
じゃじゃ麺の締めに、ちーたんたん。何という素晴らしいアイデアだろう。じゃじゃ麺のこってりした味わい、あっさりとした卵スープが中和してくれる。食後の胃もたれを軽減する効果がありそうだ。
また、これは勝手な想像だが、じゃじゃ麺と同じお椀でちーたんたんを作ることによって、食器を洗うのがラクになるのではないだろうか。じゃじゃ麺を食べたお椀に熱々のゆで汁を注ぐことで、お椀への味噌のこびりつきを軽減できそうだ。そうだとすると、一石二鳥だ。
そういえば、昔、祖父母が、ごはんを食べた後、空のお茶碗に、熱いお茶を注いで飲んでいた。そうすることで、ごはんが茶碗にこびりつくのを防げ、食器洗いがラクになると言っていた。あまりきれいなお作法ではないが、水が貴重であった戦争の頃から、ずっとそうしていたらしい。ちーたんたんを食べながら、そんなことを懐かしく思い出した。
美味しかった。ごちそうさまでした!
こちらのお店の公式サイトはこちら。
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