【温泉】箱根塔ノ沢温泉「福住楼」(神奈川県箱根町)
今日ご紹介する温泉は、神奈川県は箱根の塔の沢温泉の老舗旅館「福住楼」さん。こちらに2食付きで1泊させていただいたときのお話だ。
外観
箱根湯本駅から徒歩15分ほど。バスの停留所からすぐだし、電車駅からも徒歩5分ほどで、公共交通機関のアクセスが良い。
川の側に、立派な門構えの建物。こちらが「福住楼」さんだ。
館内
数寄屋造りの館内に入ると、昔にタイムスリップしたような錯覚に陥る。窓、柱、扉、階段など、どこをとっても素晴らしい。
館内のバーは、営業をしていなかったが、見学をさせていただくことができた。
以下の5枚の写真は、共同トイレのもの。男女共同なのだが、トイレの空間がとても美しかった。トイレ自体は新しいウォッシュレット付きの洋式トイレなのでご安心を。
客室(桐参)
今回宿泊したのは、「桐参」(桐3号室)というお部屋。なんと、川端康成先生がこちらで作品を執筆していたというお部屋だ。
写真右奥の丸い窓のドアの先が、そのお部屋だ。
ドアを開けると、まずは広縁が。
こちらが、お部屋。
窓を開けると、他の棟とお庭が見えた。
温泉
こちらのお宿では、源泉掛け流しの温泉を、5つのお風呂で楽しむことができた。それらは、男女別の浴場(大丸風呂、岩風呂)と、3つの貸切風呂(小丸風呂、家族風呂、寝湯)だ。
そのうち4つは、玄関からそう遠くないエリアに固まっている。こちらがその4つのお風呂の近くにある、休憩エリア。
そのそばにある男女共用の洗面エリア。ドライヤーもこちらで使用する。
レトロな三面鏡も設置されていた。
大丸風呂
まずは男女別の浴場のひとつ、大丸風呂。箱根についての観光パンフレットなどに掲載されることの多い、こちらのお宿を代表するお風呂だ。
こちらが、入り口。
ドアを開けると、レトロな脱衣所。
そして、浴場への扉を開くと・・・。
おお・・・! 思わず息をのむ。これは、何と神秘的な空間だろうか!
壁の上部に隙間があり、窓がないので外気が入ってくる。
隣のお風呂(後述の小丸風呂)がすぐ隣にあり、もとはひとつの空間を仕切って浸かっているとのことだ。
木と金属と石を使った、円形のお風呂。これを造るのには相当な技術が必要だったのではないだろうか。
ひとしきり見惚れた後、恐る恐る、入ってみた。冬の外気で体が冷え切ってたせいもあり、最初は熱いと感じたが、すぐに体が馴染んだ。お湯の個性はあまり感じなかったが、逆に言えば、雑味のない、新鮮なお湯なのかもしれない。すべすべとした滑らかな肌触りで、ふわふわと漂う感覚で、いつまでも浸かっていられそうだった。
岩風呂
こちらが脱衣所。
浴場に入って見ると・・・。
広く、そして、独特の空間が広がっていた。岩風呂なのだが、西洋風のアーチがあったり、船の窓のような穴があったりと、なかなかユニークな造りになっている。
貸切風呂①小丸風呂
次に、貸切風呂へ。チェックインの順番に、3つの貸し切り風呂を、時間帯を分けて2つまで予約できる。20:00になれば、空のスロットがリリースされ、早いもの勝ちで追加で予約をすることができるシステムになっていた。私は幸い、3つともに入る幸運に恵まれた。
まずは、小丸風呂。先ほどの大丸風呂のすぐ隣にある。いちばん予約が多かったのがこのお風呂だ。
細い階段を下りた先にある。
脱衣所。
浴場への扉を開けると・・・。大丸風呂と同じ意匠の、少し小さい浴槽が。
貸切風呂②家族風呂
貸切風呂の2つめは、小さめの家族風呂。やや深めの浴槽だった。
岩や石を使ったデザインがユニーク。
大理石と思われる階段。
貸切風呂③寝湯
貸切風呂の最後は、寝湯。こちらは、上記の4つのお風呂からはかなり離れた位置にある。小さな湯小屋に、タイルのお風呂。
ユニークな形をしている。左が、ちょうど大人が横たわれる長さ・深さに設計された寝湯コーナー。右側は深くなっており、寝たりしゃがんだりしと姿勢を変えることができる。
寝湯の部分は、人体がすっぽり収まるように、絶妙なカーブになっている。タイル風呂をこのように設計するのには結構な技術が必要だったのではないだろうか。
温泉分析書
こちらが、温泉分析書。源泉名は「湯本第37号」で、5つのお風呂全て共で通の源泉を使用しているようだ。泉質は、アルカリ性単純温泉。源泉温度は59.5度のため、加水されている。Ph値は59.5度。
食事
食事は、夕食、朝食ともにお部屋食だった。18時または18時半から選択できた。
夕食
朝食
朝食は8時または8時半から。
伝統的な日本建築、しかも川端康成先生のお気に入りのお部屋で過ごしたひとときは、忘れられない経験となった。
ところで、こちらのお宿のゲストは、8割方が外国の方々だという。私が泊まったときも、ヨーロッパやアジアのお客さんが多かった印象だ。外国の方々が伝統的な日本旅館に興味を持ってくれて嬉しく感じるとともに、もっと日本人もこういうお宿に泊まって、昔に思いを馳せる経験をすればよいのになあ、と、どことなくもったいなく感じた。
いいお湯でした。お世話になりました!
こちらのお宿の公式ページはこちら。
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